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星河の覇皇
第八十三部第四章 戦線崩壊その二十七

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「今はいいな」
「はい」
「退くにしても」
「考えなしではない」
「まずは前を向き」
「敵の攻撃を受けてからですね」
「攻撃はまずはだ」
 アブーは軍のそれも話した。
「陽動の場合もあるが」
「それでもですね」
「こうした一斉に攻撃に出る時は」
「どうしてもですね」
「最初の一撃が、ですね」
「そうだ、強力な一撃でだ」
 それでというのだ。
「渾身のものと言っていい」
「だからですね」
「まずはその一撃を防ぐ」
「例え退くにしても」
「それからですね」
「渾身の一撃を防げば」
 その後のこともだ、アブーは話した。
「敵はどうしてもだ」
「はい、その後はですね」
「次の攻撃は出せても」
「それでもですね」
「渾身の一撃は、ですね」
「出すまでに時間が必要だ」
 それはどうしてもというのだ。
「これはどういった人間でも軍でもだ」
「同じですね」
「このことはですね」
「どうしてもですね」
「次にその一撃を出すまでには時間が必要ですね」
「それより劣る攻撃は出せても」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「今はだ」
「凌ぐことですね」
「敵の最初の一撃を」
「それは全力で来るから」
「まずはそれを受ける」
「そうしますね」
「そうすべきだ」
 こう言ってだ、アブーは今は損害を出すことそして敗北すらも覚悟してそのうえでオムダーマン軍の一撃を受けることにした。
 それはフラームも同じで彼も自身の幕僚達に言っていた。
「まずは全軍の防御力を最大限まで出す」
「今の時点のですね」
「出せるまで出して」
「そうしてですね」
「その一撃を受け」
「それからですね」
「退く」
 そうするというのだ。
「いいな」
「承知しました」
「今はそうすべきですね」
「我が軍の敗北は決定的です」
「今のオムダーマン軍の攻撃を受ければ」
「その時は」
「そうなるからだ」
 フラームもこう見ている、それで言うのだ。
「だからだ」
「ここは、ですね」
「敗北は決定的なので」
「だからですね」
「ここは、ですね」
「そうだ、まずは敵の一撃を受け」
 あえてというのだ。
「それからだ、退くべきだ」
「左様ですね」
「今はですね」
「この防衛ラインを放棄しますね」
「後方に退きますね」
「そうする、損害は出るがまず受け止め」
 オムダーマン軍のそれをだ。
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