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星河の覇皇
第八十三部第四章 戦線崩壊その二十

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「ここでティムール軍を完全に破ることは出来ない」
「それはですね」
「流石に出来ないですね」
「それは無理ですね」
「如何なることをしても」
「ティムール軍も必死だ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「彼等も無能ではない」
「その通りです」
「ティムール軍の兵士達もよく訓練されています」
「精鋭揃いです」
「しかもです」
 ただ兵達が強いだけではないというのだ。
「下士官達も優秀です」
「多くの実戦から培った経験があります」
「その為熟練の者が揃っています」
「特に先任下士官達が優秀です」
「我が軍の下士官達にも負けていません」
 これは先任下士官達も同じだ、兵達を統率し実質的に軍の要であるとされている彼等もであるのだ。
 そしてさらにだった、軍司令達はアッディーンに話した。
「そしてです」
「士官達も優秀です」
「よく教育を受けていて」
「軍というものがよくわかっています」
「指揮も統率も見事です」
「佐官も尉官も同じで」
 どの階級の者達も優秀だというのだ。
「それぞれの役職のことをよく理解しています」
「そうして動いています」
「その指揮と統率は見事です」
「そして将官になりますと」
 軍を動かす彼等はというと。
「提督も参謀もです」
「いい戦術を見せていて」
「統率にも乱れはありません」
「作戦も的確です」
「隙がないです」
「油断も見られないです」
「そこまで見るとだ」
 まさにというのだ。
「ティムール軍は優秀だな」
「決して愚かではありません」
「艦艇の質もいいですし」
「決して弱い軍隊ではありません」
「むしろ強いです」
「強敵です」
「そうだ、だから敗北を悟るとだ」
 その時はというと。
「シャイターン主席はいないがな」
「それでもですね」
「素早く撤退に移り」
「その際損害を出しても」
「軍は崩れないですね」
「潰走はないですね」
「だからだ」
 そうした軍だからだというのだ、ティムール軍は。
「決してだ」
「この度の戦いで、ですね」
「彼等の殲滅は出来ないですね」
「そこまでは」
「そうだ、そこまでは無理だ」
 アッディーンは冷静な目で述べた。
「むしろだ」
「むしろ?」
「むしろといいますと」
「迂闊に攻めると自分達がだ」
 即ちオムダーマン軍の方がというのだ。
「損害を出す」
「追い詰められた敵は大きな力を出す」
「死を覚悟して」
「そうしてですね」
「攻撃してきますね」
「命を恐れずに」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。
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