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仮面ライダー龍騎 夢に向かえ
第三章
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 北岡は部屋を出ると一旦控え室に戻った。そこには彼の助手であり秘書でもある由良吾郎が待っていた。
「お疲れ様でした、先生」
「待っていてくれたんだね、吾郎ちゃん」
「それが俺の仕事ですから」
 由良はにこりと笑って彼に応えてきた。立ち上がって彼を迎える。
「で、どうでした?商談は」
「一旦休憩にさせてもらったよ」
 北岡はソファーに腰を下ろしてそう述べた。
「どっちも引かないからね」
「そうですか」
「あの若社長いるだろ」
「佐野さんですね」
「意外と調子いいね。ぼんくらだと思ったら案外フットワークがいいよ」
「そうなんですか」
「何でも一時期勘当されていたそうだしね」
 北岡は手を口において言った。
「ここの前の社長さん、まあ親父さんにさ」
「そうだったんですか」
 由良はそれを聞いて少し驚いた顔を見せてきた。
「親父さんが死んで呼び戻されたそうだけれどね」
「何でまた追い出されたんでしょ」
「何でも親父さんに色々考えがあったそうだよ」
 北岡はこう説明した。
「自立心を身に着けさせるとかで。けれど身に着けたのは」
「調子のよさですか」
「うん。こんな大きな会社の責任者にしては随分調子のいい人だよ」
 そう佐野を評価する。実際にこの評価は間違いないと言えた。
「あの高見沢さん相手に何とか持っているしね」
「ですか」
「まあ落としどころはもう見つけてあるよ」
「流石先生」
「仕事は今日のうちに終わりだ。後は二人から大金をせしめて」
「ええ」
 由良はそれに頷いた後で言う。
「また美味いもん作りますんで」
「頼むよ。やっぱり吾郎ちゃんの料理が一番だよ」
 北岡は顔を崩して言ってきた。
「やっぱりね。けれどそれは仕事の後で」
「はい」
「二人でゆっくり食べよう。じゃあ今は」
 立ち上がる。由良もそれに続く。
「運転ですね」
「あの二人は自分の運転手持ってるしね」
「はい。それにしても高見沢さんは」
「手強いねえ」
 北岡はこう言って苦笑いを浮かべてきた。
「話は聞いていたけれどね。あれは本物だよ」
「ですか」
「うん。佐野君はまだそこまではいっていない。まあここは彼にも恩を売っておくよ」
「わかりました。では」
 こうして北岡は由良の運転する車である高級レストランへと向かった。佐野と高見沢も一緒である。由良はその辺りで北岡から結構な額の金を貰って食事に行き三人で店に入った。白を基調としたフランス風の品のある内装の店だった。
 料理はフランス料理であった。そこでフルコースを頼んでいた。
「実はいい店を知っていたのですがね」
 北岡はテーブルを共にする二人にこう述べてきた。
「ほう」
「どんな店ですか?」
 高見沢と佐野はその言葉に顔を向けてきた。高見沢は
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