暁 〜小説投稿サイト〜
X ーthe another storyー
第十一話 地夢その六

[8]前話 [2]次話
「庚さんに」
「そうしてくれますか」
「そしてお茶もです」
「出してくれますか」
「お菓子も」
「ケーキでしたらまずはです」
 星史郎は話した。
「僕はモンブランです」
「そのケーキがお好きですか」
「昔から。他のケーキも好きですが」
 それでもというのだ。
「やはり一番はです」
「モンブランですか」
「はい、それを頂きたいですね」
「わかりました、ではそれを頂いて下さい」
「皆さんとご一緒させてもらいましたら」
「その様に」
「あとです」
 星史郎は牙暁にさらに声をかけた。
「お聞きしたいことがありますが」
「彼女のことですか」
「僕が殺してしまいましたがお元気でしょうか」
「今も貴方のことを気遣っています」
「彼のこともですね」
「お二人のことを」
「そうですか、僕のことを気遣う人もいるのですね」
 星史郎は笑って述べた。
「それはどうもです」
「いえ、誰でもです」
「気遣ってくれる人はいますか」
「そうしたものです」
「そうなのですね、ですが」
「貴方はご自身では」
「はい、全くです」
 否定、それそのものの返事だった。
「ないとです」
「思われていますか」
「そうですが」
「それは違います、誰でもです」
「気遣ってくれる人はいますか」
「そして誰かを好きになって」
 牙暁はさらに話した。
「誰かからです」
「好きになってもらうこともですか」
「あります」
「僕が誰かを好きになって」
「誰かからです」
「僕に限っては違うと思いますが」
 星史郎は牙暁の言葉を否定した、だが。
 牙暁はそれでもとだ、彼に言うのだった。
「違います、貴方もまたです」
「では彼女もですか」
「同じです。そして」
「・・・・・・彼もですね」
「そうです」 
 一瞬言葉を止めた彼に話した。
「同じです」
「そうですか」
「ですから」
 それでとだ、牙暁は星史郎にさらに言った。
「貴方も安心して下さい」
「いえ、では若し彼と会った時は」
「その時はですか」
「せねばならないことがわかりました」
 微笑み牙暁に話した。
「この戦いにおいて」
「そうですか、やはり貴方は」
「おや、本音は箱に入れていましたが」
「それでもわかりました、それも運命ですか」
「そうでしょうね、ですがそれまではです」
「地の龍としてですか」
「集まりましたらその時も」
 彼等と、というのだ。
「楽しませてもらいます、きっと一生の思い出になるでしょうね」
 こうも言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ