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第十話 固絆その二十

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「また来る、だが何時でもだ」
「お前のとこに来てええか」
「もう俺は拒まない」 
 横に来た空汰に答えた。
「お前達の誰もな」
「そうしてくれるか」
「まだ決めていないが」
 それでもと言うのだった。
「皆それぞれわかってきた、そして嫌いでもなくな」
「信頼してくれるのかしら」
「そうなってきた」 
 今度は嵐に答えた。
「だからな」
「また私達が来てもなのね」
「拒まない、何なら遊ぶこともな」
 共にというのだ。
「喜んでな」
「一緒になのね」
「しよう」
「いいですね、じゃあ今度神宮球場行きましょう」
 護刃は明るく笑って応えた。
「それでヤクルト対阪神観ましょう」
「いいな、皆三塁側でな」
「はい、阪神応援しましょう」
「勝ってくれたら嬉しいな」
 神威は護刃に微笑んで応えた。
「阪神が」
「本当にそうですね」
「そうそう勝てるチームじゃないんですよね」
 征一狼は残念そうに笑って話した。
「阪神は」
「本当にそうだな」
「またダイナマイト打線復活して欲しいですが」
「そして日本一になってくれたらな」
「いいんですが」
「難しいな」
「はい、あのチームは」
「私も阪神好きだけれどね」
 火煉も言ってきた。
「中々ね」
「勝てないな」
「それがね」
 どうにもと言うのだった。
「残念ね」
「全くだな」
「けれどずっと弱いままじゃないわ」
 火煉は確信を以て断言した。
「だからね」
「やがてはな」
「ええ、きっとね」
「また強い阪神になるな」
「その時を待ちましょう」
「そうだな、きっとまただ」
「阪神は強くなるから」
 それでというのだ。
「その時を待って今度ね」
「神宮球場でな」
「皆で阪神の試合を観ましょう」
「きっとな」
 神威は微笑んで約束した、そのうえで今は議事堂の中の丁の間を後にした。彼はまだ決めてはいなかったが絆は確かに得ていた。


第十話   完


                 2023・1・1
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