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第十話 固絆その十八

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「貴方はその最後の最後の戦いの時には」
「剣をか」
「お持ち下さい」
「そしてその剣がか」
「間もなくです」
 まさにというのだ。
「貴方のところに表れます」
「そしてその剣をか」
「手に入れて下さい」
「そうなのか、ただ」
「何でしょうか」
「俺はもう一人いるな」
 神威は丁との話からこのことについて考えた、そうしてそのうえで丁に対して眉を顰めさせつつ考える顔で言った。
「俺が一つの道を選べば」
「もう一つの道をですね」
「選ぶ俺がいるな」
「そのもう一人の貴方もです」
「剣を持っているか」
「はい」
 その通りという返事だった。
「まさに」
「やはりそうか」
「ですから」
 それでと言うのだった。
「剣はです」
「二振りあるのだな」
「そうなのです」
「そういうことか」
「私としてはです」
 丁は神威自身にも話した。
「是非です」
「天の龍にだな」
「なって頂きたいです」
「やはりそうだな」
「そして人間を護って欲しいです」
「天の龍を動かす者としてだな」
「そして人間を憂いる者として」
 この考えからもというのだ。
「そうして欲しいです」
「そうなのか」
「ですが」
 それでもと言うのだった。
「選ぶのは貴方です」
「地の龍になってもだな」
「貴方の選択です」
「そしてその時はか」
「貴方は彼女を殺し」
 小鳥をというのだ。
「そしてです」
「人間もだな」
「滅ぼします」
 そうするというのだ。
「そうなります」
「そうなるか」
「はい」
「俺は小鳥を護りたい、封真もな」
 この考えは変わらなかった。
「だが」
「地の龍になればです」
「小鳥を殺すか、だが」
 ここでだ、神威は夢のことをまた思い出して言った。
「天の龍になれば」
「あの人が殺されるのをですね」
「見るのか、どちらにしても小鳥は死ぬのか」
「それが運命です」
「どちらも嫌だ」
 神威は歯噛みして言った。
「小鳥は俺が護る、それなのに」
「ですがそれがです」
「運命か」
「そうなのです」
「・・・・・・運命は変えられる筈だ」
 やや俯きつつもだ、神威は希望を何としても見ようとして言った。
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