第八十三部第三章 今だ目覚めずその七十六
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「そしてチャーチルもな」
「二次大戦中の首相でしたね」
「そのイギリスのな」
「あの人もでしたか」
「肥満していたことと関係あるのだろう」
即ち食生活とだ。
「それで痛風でな」
「苦しんでいたのですね」
「メディチ家では代々の持病だった」
「明らかに贅沢故ですね」
「美食のな、それでだ」
「欧州の上流階級では」
「多くの歴史上の人物も苦しんできた」
ドイツの者だけでなくというのだ。
「これは一度なってしまうとな」
「激痛の為にですね」
「どうにもならなくなるというからな」
「足の親指の付け根が痛くなり」
「そして少し触られたり風にあたるだけでな」
痛風という言葉通りにだ。
「激痛に襲われるという」
「それ故に苦しいのでしたね」
「そうした病になるとな」
「軍務に確実に支障をきたす」
「足が痛くて、風が痛くてだ」
そうなってしまえばというのだ。
「行進も出来ない」
「行進すら出来なくては」
「とてもだ」
それではというのだ。
「何も出来ない」
「左様ですね」
「だからだ、私は最初からな」
「痛風にならない様に気をつけておられますね」
「ケーキは好きで」
そしてそれを今から食べるが、とだ。タンホイザーは話した。
「ビールも飲むがな」
「どちらもですね」
「常に健康診断を受けて身体のことはチェックしている」
「軍の健康診断で」
「定期的なそれでだ」
「そうして常にチェックし」
「この辺り軍は有り難い」
定期的な健康診断、これで身体の状況をチェック出来るからだ。痛風だけでなく糖尿病や脳梗塞、癌、高血圧も同じだ。
「常にチェック出来る」
「それ故に」
「痛風のこともわかる」
「尿酸値ですね」
「今のところ常に正常だ」
「いいことですね」
「このままな」
乳酸値、他のこともだ。
「血糖値等もな」
「チェックされていますね」
「そうして食事を楽しんでいる」
「お酒も」
「そして今もな」
まさにというのだ。
「ケーキについても」
「食べるが」
「これより」
「しかし生クリームもだ」
「シェフに言って」
「そしてだ」
そのうえでとだ、タンホイザーはさらに話した。
「乳酸値の低い」
「そうしたケーキにされていますね」
「苺のケーキにしても」
生クリームを多く使うケーキである。
「そちらもな」
「乳酸に配慮した」
「コレステロールにもな」
「そして血糖値にも」
「そうしたものにしてもらっている」
「そうですか」
「気をつけられるなら」
それならばというのだ。
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