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星河の覇皇
第八十三部第三章 今だ目覚めずその七十二

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「他のことの方がです」
「好きだな」
「音楽鑑賞に」
 特にクラシックだ、エリザートは特にクラシックが好きだが貴族はまずはクラシックだとも言われているのだ。
「読書に」
「それにか」
「旅行もです」
「そうな」
「どうにも」
「旅行か。ではだ」
 タンホイザーは妻の言葉を聞いて言った。
「今度時間があればだ」
「その時は、ですね」
「私も休暇を取る」
「その休暇の時に」
「旅行に行くか」
「それでは」
「イタリアに行くか」
 タンホイザーは笑ってこうも話した。
「あの国にな」
「ではどちに」
「フィレンツェか」
 この星系かというのだ。
「行くとすれば」
「美食の都と呼ばれる」
「イタリア料理は好きだ」
 笑ったままでの言葉だった。
「だからな」
「はい、それはです」
「奥方もだな」
「やはりイタリア料理は」
「ドイツ人にとってはな」
「ドイツ料理もいいですが」
 それでもというのだ。
「味の友です」
「そうだな」
「全く以て」
「ドイツ人は昔からイタリアが好きだ」
 それこそ保育園からだ。ドイツ人はその頃から半ば無意識のうちにイタリアそしてこの国の料理が好きになっているのだ。
「そして私もだ」
「同じですね」
「やはりイタリア料理がな」
「お好きで」
「フィレンツェに行ってだ」
 そうしてというのだ。
「イタリア料理をな」
「楽しまれたいですね」
「是非な」
 こう言うのだった。
「そう考えている」
「それは実は」
「奥方もだな」
「同じで」
 それでというのだ。
「結婚する前はよくレストランに行き」
「そこでか」
「食べていました」
 そのイタリア料理をというのだ。
「家のシェフもです」
「作ってくれたか」
「父上がお話されて」
「そうしてか」
「そのうえで」
 まさにそれでというのだ。
「楽しんでいます」
「私と同じだな」
「旦那様はイタリア自体がお好きですね」
「わかるか」
「よく旅行にもです」 
 そちらにもというのだ。
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