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第十話 固絆その六

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「少なくとも今はだ」
「天の龍の人達とだな」
「こうしている」
「そうか、では俺はおそらくな」
「おそらく?」
「いや、こちらの話だ」
 残念そうに言いつつそれでも言葉を打ち消した。
「気にしないでくれ」
「そうか」
「だが約束する」
 封真はこうも言った。
「俺は決してお前も小鳥も護る」
「そうしてくれるか」
「お前がそうすると誓った様にな」 
 同じ様にというのだ。
「そうする」
「そうか」
「そしてだ」
 そのうえでと言うのだった。
「やっていく、己を保ってな」
「自分をか」
「だからお前も何があってもな」
「俺自身をか」
「保ってくれ、お前であってくれ」
「俺は俺だ」
 神威はそのままの目で封真に答えた。
「それ以外のだ」
「誰でもないか」
「そうだ」
 こう答えた。
「何があってもな」
「変わらないか」
「そのことを約束する」
 こうも言った。
「何度でもな」
「俺も同じだ、例えどうなろうともな」
「小鳥を護ってか」
「お前もだ、俺達はお互いにそうしていこう」
「そうだな、俺達は何があっても変わらない」 
 二人でお互いを見つつ話した。
「そのことを誓い合おう」
「この場でな」
「二人なら大丈夫よ」
 小鳥も言って来た。
「私わかってるから」
「俺達を見てきたからだな」
「ずっとね、お兄ちゃんも神威ちゃんもね」
 まさに二人共をとだ、笑顔で言うのだった。
「だからね、二人ならね」
「大丈夫か」
「絶対にね」
 神威に話した、封真も見ながら。
「そう思うわ」
「そやな、三人は大丈夫や」
 空汰は日本酒を飲みつつ笑顔で言った。
「例え何があってもな」
「そうね、それでだけれど」
 嵐はここでその空汰に尋ねた。
「貴方は地の龍の一人と出会ってるわね」
「遊人さんやな」
「悪い印象は受けなかったのね」
「全くな、むしろな」
「いい人だったのね」
「そやった」
 こう話した。
「それでどうもな」
「他の地の龍もなのね」
「桜塚護はちゃうかも知れんが」
 それでもというのだ。
「他のや」
「地の龍は、なのね」
「悪人やないかもな」
「そうなのね」
「それで人間や」
 空汰はこうも言った。
「間違いなくな」
「心がなのね」
「そや」
 まさにというのだ。
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