暁 〜小説投稿サイト〜
機械の夢
第01部「始動」
第09話
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
裁きは受けられる。末路は変わらないだろうがな」
 …この男。やはり裏を知らない?だがなら何故この男がここに来た?時間が無かった…いや、アカツキに連絡があって今日まで調整する時間はあった筈だ。
『少佐!』
「何事だ!」
『申し訳ありません。至急ブリッジにきて下さい』
「分かった…」
 此方を一瞥して出て行った。しかし、謹慎室…とでも言うのか?犯罪者用の部屋じゃないな。
 普通の部屋と違って、中から解錠するものも無い。完全に外部からしか開閉できない部屋。確かに普通ならこれでいいだろうな。
「甘いな」
 せめて拘束具はつけておくべきだろう。
 確かに、俺の力じゃどう頑張っても道具なしにこの部屋から抜け出すのは無理だ。だが、俺には電子世界の協力者がいる。それも宇宙でも指折りの。
『マスター聞こえますか?マスター?』
『ああ。聞こえている。紫藤がブリッジに呼ばれたが何かしたのか?まだ予定の時間じゃないだろう?』
『いえ。まだなに…って聞こえている。っじゃありません!いつでも連絡できるのに、まったくなにも無かったので心配してました!ラピスが強引に船の制御を奪って何度そちらへ行こうとしたと思っているんですか!
『悪いな。さっきまで紫藤が一緒にいたんでな。気を抜けなかった』
『紫藤…マスターを殴った不届き者の名ですね……いつか必ず報いを…』
 …まだ数時間しか経っていないんだがな。
『今度、また街に連れて行くからもう少し我慢するように伝えてくれ。頼むぞラムダ』
『マスターこそ、目的を忘れてないで下さい…っ。それよりも、予定外の事態になっています。今その船の前方に所属不明の艦隊が展開されています』
『所属不明だと?』
 心の中で冷えた感情が顔を出す。
 この状況で現れる敵…軍艦と知って襲おうとしているのなら、狙いは俺…俺を狙う敵は多いが軍に仕掛けるバカはそういない。
『はい。そちらの船に探知されない距離を保っているので詳しい情報が探れません…申し訳ございません』
『ああ。大丈夫だ。計画に変わりは無い。アカツキに伝えてくれ。このままで行く』

--
「なにがあった?」
 ブリッジに上がるとオペレーターが慌てた様子で本部に呼びかけを行っていた。
 周囲を見渡して、その場で支持を出していた副長に話しかける。
「紫藤少佐!進行ルートに所属不明の艦隊が!先ほどから共通チャンネルで通信しているのですが反応がなく」
「…ネルガルか?」
「分かりません。ただ、通信妨害がされているのか本部への通信が遮断されている模様です」
 …何故だ。我々は宇宙軍だぞ?航路予定は出している。今日はこの宙域が使われる予定は無かったはずだ…
 偶然…考えられん。やはり狙いは奴か…
 生きたA級ジャンパー。火星出身のA級ジャンパーは何故か軍のデータ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ