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神々の塔
第七話 神々との戦いの前にその十

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「もうこの世の全てはな」
「神が動かしていますね」
「アッラーがな、人の運命もな」
 これもというのだ。
「もうな」
「それこそですね」
「定めてる、人が天国に行くのも地獄に落ちるのも」 
 そのこともというのだ。
「もうな」
「イスラムではですね」
「アッラーが定めていると教えてるわ」
「キリスト教で言う予定説もですね」
「イスラムにはあるわ」
「そこまで絶対の存在なので」
 それでというのだ。
「悪魔、シャイターンもです」
「アッラーの下にあるな」
「人を試す為に誘惑をしたりすることがです」
 そうした行いをすることがというのだ。
「イスラム教の悪魔です」
「ほんまこの世の全てはアッラーの下にあるな」
「それがイスラム教の世界であるので」
「自分等もか」
「イスラム教のペリの方々とはです」
「付き合えるんやな」
「そうです、どうしても付き合えないのは」
 それはというと。
「まさにです」
「キリスト教の天使達だけやな」
 施はしみじみとした口調で話した、十人共既に食事をはじめていて盛んに飲み食いをしている。だが酒は飲んでいない。翌日の神々との戦いを想定し酒で体調を崩すことを警戒してあえてそうしているのだ。
「魔界の悪魔が付き合えんのは」
「そうです、他の世界の方々とはです」
「別にやな」
「問題なくです」
「付き合えるんやな」
「水と油は決して混じりませんが」
「水も油も他のもんとはな」 
 それこそとだ、施は鶏の足を食べつつ話した。
「混ざるな」
「そうですね、それと同じです」
「それでも悪かというと」
「違うのです、魔界には魔界の正義があり」
「神々がおる」
「魔神の方々です、ただ神かといいますと」
 女はその表現についても言及した。
「これがです」
「ちゃうか」
「魔王とも呼ばれますし」
「神やないか」
「言うなれば高位の天使の方々と同じです」
「そういうことか」
「はい、キリスト教の神はあくまであの神だけです」
 ヤハウェと呼ばれる神だけだというのだ。
「サタン様、ルシファー様もです」
「魔神と言われていても」
「そして魔界に君臨されていますが」
 それでもというのだ。
「神かといいますと」
「そう呼べるかどうか」
「それははっきりとはです」
「言えんか」
「どうも、ですが」
 それでもとだ、女は施に話した。
「神霊には入り」
「それでこの塔にもやな」
「出て来られ」
 そうしてというのだ。
「皆様と戦われ」
「試練になってるな」
「そうです、是非です」
「あんた達の魔神にもか」
「勝たれて下さい、ベール様もそれを望まれています」
 自分達が仕えるその神霊もというのだ。
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