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ネットだと地元でなくても
第二章

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「阪神がどうとか西宮がどうとかね」
「お兄さんが言っても」
「それでもなの」
「千佳ちゃん負けないの」
「そうなのね」
「そうよ、負けてたまるかよ」 
 赤い対抗心を剥き出しにして宣言した。
「ついでに今年のペナントもよ」
「勝つのね」
「カープ優勝ね」
「そうなるって言うのね」
「そうしてやるわよ」
 こんなことを言ってだった。
 千佳は家に帰ると予習復習の合間の休憩の時にだった。
 インターネットでカープのことを検索し応援サイト等にも書き込んだりしていた、そして広島市のカカープに縁のある場所も調べていたが。
 夕食の時にだ、兄の寿に笑ってこんなことを言われた。
「今年のキャンプはな」
「大成功っていうのね」
「ああ、岡田さんがな」
 妹に目をキラキラとさせて語った。
「素晴らしい指導を発揮してくれてな」
「阪神最強になったっていうのね」
「ああ、巨人はもうな」
 邪悪を煎じて煮込んでさらに悪化させた如き忌まわしきチームはというと。
「相手じゃないしな」
「巨人はそうね」
 千佳も同意だった。
「他のチームから選手掠め取ることしかしてこなくて」
「ずっとな」
「それで育成おろそかにして」
「もうな」
「お年寄りばかりね」
「そんなカスチームはな」
 文字通りのそうしたチームはというのだ。
「精々な」
「最下位になってろよね」
「大体ずっとな」
 寿は鰯の煮付けでご飯を食べつつ言った、生姜がよく利いている。
「原さんでな」
「監督さんね」
「もう何年やってるんだ」
「最初二年よね」
「それから長かったよな」
 所謂第二次原政権はというのだ。
「最初と合わせてそこで十年以上やってたな」
「多分ね」
「そこからまたでな」
「もう何年?」
「僕の年齢より長いだろ」
 寿はかなり真面目に言った。
「僕今中三で今年十五だからな」
「私小五で十一でね」
「お前より確実に長いな」
「それでお兄ちゃんよりもって」
「何か任期満了で十八年って聞いたけどな」 
 寿は首を傾げさせつつこのことについても言った。
「もうな」
「監督さんとしてはね」
「滅茶苦茶長いな」
「こんな長い間一つのチームの監督だと」
「ホークスの鶴岡さんも長かったらしいな」 
 南海時代チームを率いていた彼はというのだ。
「二十年はな」
「その鶴岡さんの次位?」
「それ位か」
「鶴岡さんは凄い人だったみたいよ」
 千佳は真顔で話した。
「あの人元々呉の人で」
「広島のか」
「そこから法政大学出てね」 
 大学で花形選手でであったのだ。
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