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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第83話:退院
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まあ、見慣れてしまえばどうってことは無いですよ」

俺の隣に立ったシンクレアが何でもないような風に言う。

「それに、隊舎の再建工事も始まったんだな」

俺はアースラと反対側の隊舎のあった方に目を移す。
そこには防音シートで囲まれた工事現場があった。
中からガラガラと何かが崩れる音が聞こえてくる。

「あれはまだ解体工事ですよ。せっかく作りなおすんだからって、
 基礎から再設計するらしいですから」

「あと半年で解体される試験運用の部隊の隊舎を再建してどうすんだよ。
 市民の税金を無駄遣いしたらダメだろう」

「さあ?ていうか俺にそういうこと聞かれても困りますよ。
 ただ、6課が解体されたあとも何かに使うのは決まってるらしいです」

「ふーん。ま、作ったもんは無駄なく活用しないといかんわな。
 あんな立派な訓練施設もあるんだし」
 
そう言って俺は、アースラの後方にある訓練施設の方に目を遣る。

「あ、ちなみに隊舎再建工事の担当はゲオルグさんらしいので」

「ふーん・・・は!?」

シンクレアがサラッと言ったことに俺は驚きの声を上げる。

「それ以外にもたくさん仕事はあるらしいですよ。
 今日からゲオルグさんが復帰するって決まってから
 はやてさんがイキイキとゲオルグさんに割り振る仕事を決めてましたから」

「一応病み上がりなんだけどな、俺・・・」

俺は先行きに不安を感じながら、スロープを上がってアースラへと向かった。


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