第一章
[2]次話
可愛い娘の酒癖
大学生の守男有巣は黒髪をショートにしてあどけない顔で八重歯と大きな垂れ目が印象的な顔立ちだ。背は一五一位で発育はいい。
いつもひらひらの服を着ていて女子力の高さと優しく穏やかな性格で大学では男女共に人気がある、しかし。
彼女の友人達はこぞって言うのだった。
「もてるかって言うと」
「有巣ちゃんは微妙よね」
「そうなのよね」
「どうもね」
「えっ、何でだよ」
その話を聞いた大学きっての遊び人である日岡潤一郎がその話を聞いて嘘だろうという顔になって応えた。金色にした髪の毛をセットしてだった。
薄くメイクしてちゃらちゃらしたファッションをしている、背は一八〇近くすらりとしたスタイルである。
「あんな可愛いし性格いいのに？」
「それでもね」
「あの娘女子力も高いけれど」
「それでもね」
「それならもてるだろ」
日岡は有巣の友人達にいぶかしむ顔で返した。
「絶対に」
「そう思うでしょ」
「じゃあ試しに一度飲んでみたらいいわ」
「わかるからね」
「酒乱か？あれ位可愛いと酒乱でもいいだろ」
こう言ってだった。
日岡は有巣とお互いの友人達を交えてだった。
一緒に飲むことにした、パーティーという形を取ってだ。
それで居酒屋で飲みだしたがいきなりだった。
有巣はビールをジョッキで一気に空けるとそこから。
枝豆をそのまま中身を出さずにさやごと食べて冷奴は皿を持って口に流し込みホッケは骨ごとかみ砕いた。
そして挙句はスペアリブもだった。
「おい、骨ごと食ってるぞ」
「そうなのよ」
「有巣ちゃんお酒入るとこうした食べ方になるの」
「実は歯と胃が異常に頑丈で」
「何でも野生の熊並らしいのよ」
「普段は大人しく食べるけれど」
「お酒入るとこうなのよ」
有巣の友人達は驚く日岡と彼の友人達に話した。
「もうね」
「リミッター外れて」
「そえでなのよ」
「こうして食べるのよ」
「凄いでしょ」
「これはな」
まさにとだ、日岡は唖然とした顔で応えた。彼の友人達もそうなっている。
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