暁 〜小説投稿サイト〜
未来を見据える写輪の瞳
五話
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 タヅナの孫、イナリとナルトとの間に一悶着あったものの、下忍達の修行はおおむね順調に進んでいた。だが、今日で先の戦いから丁度一週間。そろそろ再不斬達の再襲撃を意識せねばならない。だというのに、ぐうすかと大きないびきが一つ。

 「ナルト! 起きなさいってば!」

 「うーん、こりゃ駄目だな」

 布団を蹴飛ばした状態で気持ちよく眠るナルト。昨日まで徹夜で修行をしていたためか、声をかけてもゆすっても起きないのだ。このままナルトが起きるのを待っているわけにもいかず、しょうがなくカカシはナルトを置いていくことにした。

 (それに、少し気になることもあるしねぇ)

 再不斬の雇い主のガトー。タヅナの話を聞く限りでは随分とあくどい事をしでかしているらしい。そういう手合いは、一般人にはどういう手が有効かを知っており、またそれを好む傾向にある。それを考えると、ナルトをここに残していくのはそう悪い判断では無い。

 「さて、そろそろ行くぞ。これ以上タヅナさんを待たせるわけにはいかないからな」

 カカシはサクラとサスケを伴い部屋を出る。その時、カカシの顔は下忍の先生ではなく、一人の忍びの顔になっていた。





 タヅナが作業を始めて少し経ったころ、周囲に薄い霧が生じ始めた。突然の発生にタヅナや下忍は眉をしかめるものの、それ以上何かを感じることはなかった。だが、カカシは違う。

 「なるほどねぇ。さすがに無策では来ないか」

 霧が発生してすぐ、カカシはタヅナの傍へと歩を進めた。勿論それは、これから来る襲撃に備えてのものだ。

 「サクラ、サスケ。タヅナさんを頼む」

 カカシのただならぬ気配に近寄ってきていた二人に指示を飛ばし、カカシは左目を隠す額当てを押し上げながら一人前へと出る。それと同時、霧の中から再不斬とお面の子、二人が姿を現した。

 「カカシ、来てやったぜ」

 「頼んだ覚えはないんだけどね」

 「今度こそテメェを血祭りに上げて俺が勝つ! だが、その前にだ」

 なめらかな動きで紡がれる印。カカシはその印を看破するも、黙ってそのまま歓声を待った。

 ――――水分身の術!

 再不斬の周りに現れる水でできた分身。本体よりは性能が落ちるものの、再不斬クラスが作り出したとなれば中忍程度の強さは持っているだろう。それがおよそ五体。タヅナと、サクラ、サスケを取り囲む。

 「ガキどもを放っておいていいのか?」

 「なーに、あの程度なら問題ないさ。な、お前ら!」

 「「当然!」」

 二人は足にチャクラを練り上げ、その場からかき消える。カカシや再不斬から見ればまだまだ遅いものの、その速度は下忍のレベルで収まるものではない。サクラが一体、サスケが四体を瞬く間に打倒した
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