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星河の覇皇
第八十三部第三章 今だ目覚めずその六

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「やっぱり統一するならティムールだしな」
「ティムールには頑張って欲しいな」
「シャイターン主席には」
「前の戦いでは負けたにしても」
「今度はな」
「今度は勝って欲しいな」
 是非にというのだ。
「そのことを願いながらな」
「俺達は今働くか」
「午後もな」
「そうしていくか」
「しかし」
 今度は浅黒い肌の労働者が言ってきた、今自分達がいる工場の食堂を見回してそのうえで言うのだった。
「ここの食堂どう思う」
「古いよな」
「築三十年か」
「それ以上だろ」
「それ位経ってるしな」
「そろそろ建て替えて欲しいな」
「もう限界だろ」
 建物が老巧化してというのだ。
「統一して歯磨き粉がもっと売れる様になったら」
「その時はな」
「もう建て替えて欲しいな」
「いい加減に」
「そうして欲しいな」
「もう限界だろうな」
 口髭の労働者も言った。
「この食堂」
「連合の連中が見たらぼろいとか言いそうだな」
「あそこの連中は絶対に言うよな」
「工場も最新式でな」
「食堂も違うからな」
 サハラのものとはというのだ。
「ここよりもっと奇麗でな」
「設備もよくて」
「清潔でな」
「食いものもよくて」
「全然違うからな」
 サハラのものそしてこの歯磨き粉工場のものとはというのだ。
「本当にな」
「あそこは別格だよな」
「先進国は違うな」
「けれど俺達も」
「統一して平和になれば」
「その時はな」
 まさにと言うのだった。
「豊かになれるよな」
「今以上にな」
「もう戦争なくなるからな」
「戦争で金使わないし」
 その必要がなくなるからだというのだ。
「街とか田畑も破壊されないしな」
「産業施設も攻撃されなくなって」
「もうどんどんな」
「豊かになるよな」
「それで歯磨き粉もっと売れて」
 彼等はこう考えている、とりあえずオムダーマンの企業の歯磨き粉のことは今は考慮の外にある。まだそこまでは考えていないのだ。いないのだ。
「本社の業績上がって」
「この食堂も新築だな」
「そうしてくれるよな」
「そう思うとな」
「本当に統一が待ち遠しいな」
「早く統一して欲しいぜ」
「戦争なんか終わってな」
 一刻も早く、というのだ。
「そうなるからな」
「ティムールの統一でな」
「それで平和になって欲しいな」
「今は負けていてもな」
「戦争で劣勢になることなんてな」
 一時そうでもというのだ、彼等もサハラにいて戦争を常に見ていたそうしたことはわかっているのだ。
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