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博士の挑戦状
第十六話

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                 第十六話  殺戮を行いながら
 博士は次のマフィアのアジトの上空に赴き毒ガスを散布して彼等の死に様を見つつだ、博士はワインを飲んでいた。
「うむ、メキシコのワインも美味いのう」
「あの、博士」
 サラミとクラッカー、チーズを肴にしている博士に小田切君は一緒に飲んで食べつつ応えた。ライゾウとタロもそれぞれ食事を摂っている。
「前から思っていたことですが」
「どうしたのじゃ?」
「博士って毒ガスとかは使っても」
 大量殺戮兵器をというのだ。
「悪人以外は殺さないですね」
「うむ、人間にだけ反応があるな」
 博士もそれはと応えた。
「そうしたものばかりじゃ」
「造られますね」
「関係のない命を奪う趣味はない」
 博士はあっさりとした口調で答えた。
「だからじゃ」
「そうしたことは考えてるんですね」
「関係ない命は虫一匹殺さぬ」
「あくまで殺したい相手だけをですか」
「殺す、これはわしのポリシーじゃ」
 サラミを切ったものを食べつつ話した。
「そうであるからな」
「守られてるんですね」
「絶対にな」
 何があってもというのだ。
「そうしておる」
「そうですか」
「わしはわしのポリシーは守る」
「そうでないとですね」
「マッドサイエンティストではない」
 毒ガスでもがき苦しみつつ死んでいくマフィアの構成員達をUFOの大画面で観て白ワインを飲みつつ話した。
「だからじゃ」
「そのことはですね」
「守る、ではな」
「今はですね」
「こうして殺戮を楽しみな」
「お酒もですね」
「飲むぞ」
 そうすると言ってだ。
 また飲んだ、そのうえで小田切君に話した。
「サラミやチーズも食うか」
「クラッカーもいいですね」
「軽食もワインには合うのじゃ」 
「だからですね」
「どんどん飲むぞ」
 笑顔で言ってだった。
 そうして肴も食べていった、殺戮を楽しみつつも酒等もそうするのだった。


第十六話   完


                2022・12・5
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