第二章
[8]前話
「こちらに保護されたんです」
「そうですか」
「ですが皆いい子で」
それでというのだ。
「特にマンヌはです」
「いい娘ですか」
「物凄く優しい娘で」
「アヴニにもですね」
「そう接していますね、ですからアヴニは彼女にも懐いて」
ピロだけでなくというのだ。
「よく背中にも乗っていますね」
「そうですね、今も」
見ればそうしていた、アヴニはマンヌの背中にしがみついている。
「まさにです」
「母娘ですね」
「そうなっていますね」
「よかったです」
現場のスタッフは心から言った。
「ピロとマンヌがいてくれて」
「二人のお母さんがいて」
「アヴニは救われました」
「そうですね」
オルコットもその通りだと答えた。
「お陰で、実はです」
「実は?」
「昨日聞いたんですが」
こう前置きして話した。
「南アフリカリンボボのあるリハビリ保護区でも」
「こうしたことがあるんですか」
「ベルベットモンキーを保護しますと」
そうすればというのだ。
「そこにいる猫達と仲良くなって」
「アヴニの様にですか」
「寄り添ってもらっているそうです」
「そうですか」
「種類が違っても」
「親子や友人同士になれますね」
「そうですね、ではこれからも」
オルコットはこれ以上はないまでに優しい目で話した。
「アヴニにはです」
「ピロとマンヌがですね」
「お母さんとして一緒にいて欲しいです」
「そうですね」
現地のスタッフもそれはと応えた。
「願わくば」
「これからもずっと」
「キイ」
「ワン」
「ニャア」
見れば三匹は今一緒にいた、寄り添い合ってそうしていた。その光景はこれ以上はないまでに優しいものであった。
子猿を救ってくれたのは 完
2023・2・15
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