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凍って動けなくなっても
第一章

[2]次話
               凍って動けなくなっても
 寒い、そんな中である者が家の中でこんな話を三つ聞いた、その話はというと、
 アメリカジョージア州コクランで鉄道作業員をしているニール=マリス赤髪で青い目の大柄な青年である彼は寒波の日線路の修理作業をしているとだった。
「キイ」
「おい、あれ」
「アライグマか」
 マリスは同僚の指差した先に一匹のアライグマを見た、見れば。
 アライグマはレールの上に跨る形でいてそこから動かない、マリスはその状況を見て首を傾げさせつつ言った。
「このままじゃ列車に轢かれるしな」
「列車も停まる」
「そうなるからな」
「救助するか」
「そうしような」
 こう話してだった。
 マリスは同僚と共にまずはアライグマのところに行って状況を確認した、すると腹部が凍り付いた金属であるレールに張り付いていた。
 それを見てだ、二人は話した。
「凍り付いているところにお湯あてるか」
「飲む為に魔法瓶に入れて持ってきているしな」
「それをあててな」
「そこにシャベル入れて引き剥がすか」
「そうするか」
 こう話して実際にそうした、するとだった。
 アライグマは無事にレールから解放されてその場を駆け去った、その時に一度二人の方を振り向いたという。
 二つ目の話はカナダだった、工場で働いているサンディ=ドゥセッテ太った一八〇以上ある身体で黒髪を伸ばし青い目で丸々とした顔の彼は。
 休日ドライブに出て自宅近くまで来た時にだ。
 鳥が飛び立ったのを見てだ、その中に一羽だけ飛ばず雪原に留まっている鳥鳩に似たそれを見て共に乗車していた友人に言った。
「あの鳥何かあったのかな」
「一羽だけ飛び立たないな」
 友人もその鳥を見て言った。
「そういえば」
「だからね」
「何かあるね」
「うん、だから見に行こうか」
「傷付いていたら助けよう」
「獣医さんに見せよう」
 そんな話をしてだった。
 二人で車を停めて鳥のところに向かいまずは状況を確認した、すると。
「ああ、雪が凍ってな」
「足を取られているな」
「じゃあ雪どけるか」
「そうしよう」
 二人でこう話してだった。
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