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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその四十七

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「迷惑この上ないです」
「だからこそ」
「エウロパが発展しようとしてもそれを妨害したい位です」
 それが可能ならというのだ。
「まことに」
「それなら発展を助けるなぞ」
「論外です、技術で三百年以上の開きがあろうとも」
 マウリアで三百年でありエウロパはそのマウリアよりさらに遅れている、特に惑星開発や開拓のそれはだ。
「技術の進歩は努力すればすぐに縮まります」
「そうなりますね」
「三百年以上も百年もあれば」
「充分過ぎますね」
「石器時代の人間ですら」
 文明レベルでそうであってもというのだ。
「発展を意識すれば」
「文明レベルは一気に上がります」
「そうなります、無論先進国はさらに先に進めますが」
 それでもというのだ。
「後進国もです」
「発展しますので」
「敵国がそうしようとすることを助けるなら」
「我々にとっては防ぐべきことですね」
「そうです、ゴミ箱もです」 
 それもというのだ。
「調べられない様にです」
「気をつけるべきですね」
「さりげなくでも、しかしここでマウリアは随分エウロパ寄りになりましたね」
 八条は政治からも見てバールに話した、二人共今は食事を摂りつつ話をしている。料理は和食である。メニューはすき焼きですき焼きの店で話をしている。
 背中に見事な掛け軸を背負いつつだ、彼は言った。
「エウロパ戦役から」
「確かに。その時期からですね」
 バールは牛肉、鍋の中のそれを食べつつ頷いた。
「それは」
「あの戦争で我々は勝ちました」
「そのことはいいとして」
「そこからです」
「エウロパが衰え」
「我々は強まりました」
 戦争の結果がそれぞれの状況をもたらしたというのだ。
「そうなりました」
「左様でしたね」
「このこと自体はよかったですが」 
 それでもというのだ。
「ですが」
「それでもですね」
「我々が大きくなり過ぎたと見て」
 マウリア、彼等はというのだ。
「動きを変えました」
「エウロパ寄りになった」
「そしてです」
「今は彼等を助けている」
「我々とは同盟国のままでも」
「エウロパとも同盟国でもあるので」
「エウロパが弱くなり過ぎると見て」
 マウリアから見てだ。
「そうしてきていますが」
「連合から見ますと」
「厄介なことです」
「何としても防ぎたい」
「そうしたものです」
 まさにというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「ここはです」
 どうにもとだ、八条はすき焼きの葱を食べつつ話した。
「我々は技術革新を進め」
「マウリアやエウロパを引き離し」
「おかしなことはです」
 技術を盗ませる、そうしたことはというのだ。
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