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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその四十五

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「そうするな」
「では宜しくお願いします」
「それで今度からは、ですか」
「あっちがどう言っても」
「ゴミ捨てについては」
「ああ、こっちで捨ててな」
 そしてというのだ。
「お客さんとしてな」
「大人しくしてもらいますか」
「そうしてもらいますか」
「ここは」
「そうするぞ、しかし何だ」
 一等曹長はまた言った。
「マウリア軍がゴミ捨てをしたのは」
「考えてみれば謎ですね」
「士官までそうするとか」
「普通ないですから」
「気になりますね」
「やっぱり何かあるとな」
 その様にというのだ。
「そんな気がするな」
「ですね、どうしても」
「相手にどういった思惑があるかわからないですが」
「何か狙いがあるとですね」
「思った方がいいですね」
「残飯を漁るなんてないことはわかる」
 これは流石にないというのだ。
「幾ら何でもな」
「それはないですね」
「やっぱり」
「流石に」
「まして食ってるんだ」
 パーティーの場でというのだ。
「ならな」
「余計にですよね」
「残飯漁る筈ないですよね」
「間違っても」
「そんなことはしないですね」
「ああ、だったら何か魂胆があるだろ」
 マウリア側にというのだ。
「それが妙に気になるからな」
「ではですね」
「マウリアのこのことは」
「先任下士官の間で話されて」
「そのうえで」
「艦長にも話すな」
 こう話してだった。
 一等曹長は実際に先任下士官室でこの件の話をしそこから艦長ひいてはタイ軍の上層部にも伝わった。こうした話が各国軍だけでなく中央政府軍でも起こっていて。
 八条はオムダーマンとティムールの戦局のことをバールと話してからそのうえで彼にこのことについても話した。そうしてこう言った。
「ゴミ箱は主観ではです」
「ただゴミを捨てる場所でもですね」
「人、国家によってはどうか」
「違う場合もありますね」
「我が国の話ですが」
 八条はバールにこう前置きして話した。
「ゴミ箱を見て無駄がないか」
「それをですか」
「チェックした逸話があります」
「確かそれは」
 その話を聞いてだった、バールも話した。
「東条英機の」
「そうです、彼が見ていました」
「そうして国民生活の状況を確認しましたね」
「窮乏や無駄がないか」
 そうしたことをというのだ。
「見ていました」
「東条英機の器の小ささを示すお話とも言われますね」
「そうですね、ですが」
「別の見方では、ですね」
「ゴミ箱の中身まで見てです」
 首相であった彼がだ。
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