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神々の塔
第四話 党の前でその三

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「実際に納豆見てや」
「驚いたんやな」
「それでめっちゃ拒絶してん」
 かつての関西の人達はというのだ。
「こんなん食べものやないってな」
「そやってんな」
「昭和の頃までな」
 昭和五十年代に子供だった人達までは少なくともそうだったという。
「食べる、美味しいって言うたらな」
「変態扱いやな」
「あんなまずいもの食べるかってな」
 その様にというのだ。
「真顔で言われた人おったそうやで」
「堂々と言われたんやな」
「食べるかって聞いたらあからさまに嫌な顔されたりな」
 そうした経験をした人もいたらしい。
「ほんまな」
「関西ではやな」
「昔はめっちゃ嫌われてたらしいで」
 納豆自体がというのだ。
「美味しいけどな」
「そやからそれは今からでな」
 施は白いご飯を鮭で食べながら述べた。
「昔の関西にはなかったさかい」
「拒絶されるんやね」
「今でも癖が強いとされるやろ」
「それはやっぱりやで」
 綾乃も納豆が癖が強い食べものであることは否定しなかった。
「その通りやで」
「そやからな」
「今も拒絶反応示す人おるし」
 日本人でもだ。
「昔の関西やと」
「尚更や」
「そやねんね」
「まあ食文化変わるさかいな」
 中里はその納豆をかけたご飯を食べつつ言った、見ればお碗は丼だが十人共それでそこにご飯をかなり入れている。
「何処も時代によって」
「それは関西でもやね」
「そやから納豆もな」 
 この食べものもというのだ。
「普通にな」
「食べる様になったんやね」
「そういうことやろな」
「そやねんね」
「少なくともご飯にかけたらな」
 その様にすればというのだ。
「美味しいわ」
「そやからうち等も今食べてるんやね」
「そういうことや」
「そやね」
「しかも身体にええことはな」
 このことはというのだ。
「紛れもなくな」
「事実やし」
「食べて損はない」
「そういうことやね」
「ただな」
「ただ?」
「ターリヤちゃんに起きた世界でな」
 枢軸の神星の一人でありこちらの世界では今は敵対関係にある彼女にというのだ。
「納豆にパン言うたらな」
「パンの上に納豆乗せるん」
「それしてみるか言うたらな」
「どう言われたん?」
「地獄に落ちるのですって言われたわ」 
 中里は綾乃に笑って話した。
「黒パンに乗せるのはキャビアやって」
「お魚の卵やね」
「刻んだ玉葱とかと混ぜ合わせたな」 
 ロシアではキャビアとか魚の卵全体を言う、チョウザメのそれとは限らないのだ。
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