暁 〜小説投稿サイト〜
神々の塔
第三話 準備を整えその七

[8]前話 [2]次話
「そうしてです」
「焦らんで」
「最後はです」
「ことを成したんやね」
「借金は完済し」
 ローマ中が仰天するまでの額になっていたそれをだ。
「そしてローマの頂点にです」
「終身執政官やったね」
「それにまで至りました」
「事実上最初のローマ皇帝やね」
「はい」 
 まさにとだ、太宰は答えた。
「その地位にまで至り」
「ローマを改革して」
「共和制が行き詰まっていましたが」
 当時のローマはだ、広大になり国家状況も一変してしまっていてだ。
「しかしです」
「そのローマを改革して」
「以後のローマ帝国につなげました」
「そうしたのは凄いけど」
「彼のその焦らないです」
「資質も大きかったんやね」
「そうでした、焦るのはです」
 太宰はさらに話した。
「所詮小者ともです」
「言えることなんやね」
「はい」
 まさにというのだ。
「最早」
「器の小さい人は焦る」
「そうです、何も事情を見ずに」 
 そうしてというのだ。
「逸る気持ちを抑えられず」
「焦ってそれで失敗して」
「下手をすれば取り返しのつかない事態もです」
「引き起こすんやね」
「そしてそうした人に限ってです」
 焦って失敗する様な輩程というのだ。
「反省せず責任もです」
「取らへんねんやね」
「一度や二度ならです」 
 失敗をしてもというのだ。
「いいのですが」
「それでもやね」
「はい、ですが」
 それでもと言うのだった。
「それが何度もで何度注意されてもです」
「焦る様なら」
「それも同じ仕事等でそうなら」
「どうしようもないんやね」
「そしてそうした人こそです」
 太宰はまた言った。
「反省もせず」
「責任も取らへんのやね」
「だから小者とです」
「太宰君も言うんやね」
「急がねばならない事態はあります」
 ことを為すにあたってというのだ。
「どうしても」
「今のお仕事かてそやね」
「危急のもので」
 そうした仕事でというのだ。
「どうしてもなので」
「今日はやね」
「皆さんに留まって頂いていますが」
 都にというのだ。
「冒険を明日にしてもらい」
「ほんま急の大事な仕事で」
 綾乃は棟梁の印を押しつつ話した。
「せんとね」
「左様です、では」
「今日はやね」
「お仕事をお願いします」
「わかったわ」
 ここでも印を押しつつ話した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ