暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその二十二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「サハラの戦乱です」
「北方でも激しく戦い続け」
「お互いを弱めてしまっていた」
「そのせいでしたね」
「争えば」
 それでというのだ。
「弱まります」
「全くですね」
「獣もお互いに争えばそうなります」
「片方が死にもう片方が傷だらけになるか」
「双方共傷付きます」
「そうなってしまいます」
「それは国家も同じで」
 サハラ北方にあった無数の国家もというのだ。
「実際に北方にシャイターン主席が登場しますと」
「それ以上攻められなくなりましたね」
「侵攻の勢いが止まりました」
「そして我々との戦争で劣勢になり」
「サハラから撤退せざるを得なくなりましたね」
「そうなりましたので」
 だからだというのだ。
「兵器から見ましても」
「サハラの兵器は防御力は落ちます」
「我々と比べて」
「攻撃射程や正確さも」
「そうしたものは落ちますが」
「しかし」
 それでもというのだ。
「攻撃力と機動力に優れています」
「攻撃力は我々に少し劣る位で」
「機動力は遥かに上ですね」
「とかく速度があります」
「空母ですらです」 
 速度が遅いというこの艦艇でもというのだ。
「中央政府軍の軽巡並の速度です」
「駆逐艦や高速戦艦なら尚更です」
「とかく速度が速いです」
「その速度には負けます」
 どうしてもというのだ。
「その速度の分です」
「サハラの兵器は強いです」
「その速度を見ますと」
「我々に負けていませんね」
「連合の兵器は遅いです」
 速度では落ちるというのだ。
「どうしても」
「そこがネックですね」
「速度を犠牲にして他の能力に力を注いでいます」
「攻撃力や防御力に」
「索敵能力にも」
 勿論電子設備やダメージコントロールにもだ、そして艦艇の中の居住環境にもかなり力を注いでいるのだ。
「あえてそうしています」
「速度のことはわかっていますが」
「それをあえて犠牲にして」
「そうして戦っていますし」
 だからだというのだ。
「もうそれは覚悟のうえです」
「速度の遅さはその他の能力でカバーしています」
「故障も少ないですし」
「あえてです」
「ですから」
 それでとだ、技術少佐はさらに話した。
「そこはあえてですが」
「それでもですね」
「サハラは違いますね」
「速度にかなり割いています」
「防御力やダメージコーントロールの分を」
「そうもしています」
「連合とは兵器の設計思想が違います」
 その根本がというのだ。
「我々は戦死者を出さない様にしています」
「それは確かにありますね」
「連合では軍人は市民です」
「市民軍です」
「市民ならば」
 これは中央政府軍だけでなく各国軍もだ、戦争でも市民から犠牲者を出す訳にはいかないと
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ