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第六十三話 合宿の朝その一

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                第六十三話  合宿の朝
 一華は朝起きると頭に鈍く強い痛みを感じた、しかも身体がだるかった。だがそれでも何とかだった。
 布団から出てだ、同じ部屋の女子バスケ部の部員達に言った。
「皆生きてる?」
「生きてるわよ」
「何とかね」
「二日酔いで死にそうだけれど」
「それでもよ」
「生きてるならね」
 全身のだるさ特に頭痛と戦いつつ言った。
「今からね」
「ええ、お風呂ね」
「大浴場行きましょう」
「それでお酒抜きましょう」
「そうしましょう」
「汗かいて」
 その頭痛の中で言った。
「すっきりしましょう」
「そうしましょう」
「皆起きてね」
「今からお風呂行くわよ」
「死んでても起きてね」
「二日酔いの娘は全員参加よ」
 七割程の者が二日酔いだった、その全員がだった。
 お互いに支え合いながら大浴場に向かった、その途中にだ。
 ホテルの廊下を歩きつつだ、一華は言った。
「他の部の子達もいるわね」
「そうね」
「皆死にそうな顔してるわね」
「どの部活の子もね」
「男女共ね」
「そうなってるわね」
「皆飲んだからね」
 一華は何とかという感じで歩きつつ言った。
「二日酔いになるのもね」
「当然ね」
「昨日皆相当飲んだし」
「それならね」
「二日酔いになるのも当然ね」
「そうよね」
「しかしね」
 その彼等を見てだ、一華はあることに気付いた。
「日本人多いわね」
「あっ、そうね」
「言われてみればそうね」
「他の国の子少ないわ」
「同じアジア系でもね」
「そうよね」
「何でかしら」
 死にそうな顔で大浴場に向かっている面々の殆どが日本人日本語で呻いているのを見てわかるそれを見て思った。
「これって」
「ああ、それね」
 部員の一人一五〇程の背の小柄な娘が言ってきた。
「日本人お酒に弱いからよ」
「それでなの」
「何でも弥生系の人はね」
「縄文人とか弥生人の」
「そう、その人達は身体にアルコールを分解出来る要素がなくて」
 それでというのだ。
「お酒にね」
「弱いの」
「日本人は縄文人と弥生人の混血だけれど」
 これが日本人民族で言うと大和民族であるという。
「あとアイヌ系とか中国とか東南アジアとかね」
「色々入ってるわね」
「けれど濃いのはね」
「縄文人と弥生人ね」
「この二つだけれど」
「弥生人は」
「アルコールを分解出来なくて」
 この要素が体内になくというのだ。
「それでよ」
「お酒弱いの」
「織田信長さんもね」
 歴史上余りにも有名な彼もというのだ。
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