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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその十四

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「生み出すこと、食料生産も減少してだ」
「インフラつまり流通もですね」
「それも滞り」
「飢饉となりますね」
「あとは国家の強制徴収だ」
 これも時としてあるというのだ。
「ソ連が行ったな」
「ロシア革命当時でしたね」
「農民達から食料をそうしましたね」
「革命軍の糧食とする為に」
「その為大規模な飢饉が起こり」
 これをボルガ飢饉という、ロシア革命の中に起こった悲劇であり多くの餓死者が出てしまったのだ。
「やはり人肉食が出ましたね」
「人肉市場も出ました」
「恐ろしい惨事となりました」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。
「国民の間にもだ」
「飢饉を起こしてはならない」
「絶対にですね」
「そのことは」
「そうだ、だから国民から徴発はしていない」
 この戦争においてというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「他の民間産業にもですね」
「そうしたことはしていませんね」
「そうしてだ」
 そのうえで、というのだ。
「戦っていて民間のインフラにもだ」
「手をつけていませんね」
「幸いオムダーマン軍もそうしています」
「確かに戦争は行われていますが」
「それでも」
「民間産業はインフラは無事でだ」
 当然市民の安全もだ。
「間違っても餓えることにはだ」
「陥っていませんね」
「今のティムールも」
「戦争は起きていても」
「市民生活は大きな損害を受けていませんね」
「戦時下なら影響は避けられないが」
 それでもというのだ。
「だがな」
「それでもですね」
「餓えてはいない」
「このことは事実であり」
「よいことですね」
「そう思っている。そして言うまでもなく将兵達もだ」
 つまり軍もというのだ。
「餓えてはいない」
「これは大前提ですね」
「戦争においての」
「若し軍が餓えるなら」
「今では恥ですね」
「シャイターン家は恥を知る家だ」
 アブーは強い言葉で言い切った。
「それならだ」
「軍は餓えさせない」
「それならですね」
「何があろうともですね」
「軍は餓えさせず」
「菱食については」
「常に万全に用意してだ」
 そうしてというのだ。
「美味いものも出してな」
「馳走もですね」
「それもですね」
「こうした時は出して」
「たらふく食ってもらいますか」
「そうしてもらう、戦闘前には兵に大飯を食わせる話もあった」
 このことは項羽の逸話にもある、秦の都咸陽を占拠した劉邦軍に項羽軍が総攻撃を仕掛けようと決意したその夜に兵達にこう命じたのだ。
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