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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第80話:病室ではおとなしくしましょう
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はは弱々しく声を上げる。

「よく頑張ったな、なのは」

俺がなのはの耳元でささやくと、なのははそれまで浮かべていた笑顔を
クシャっと崩してしまう。やがて、その瞳からは涙があふれた。

「うん、わたし頑張ったの。一生懸命頑張ったんだよ」

なのはは俺の胸に顔をうずめると、両腕を俺の腰にまわす。

「判ってる。ヴィヴィオと一緒に帰ってきてくれてありがとな」

感情が溢れて止まらなくなったのか、なのは声を上げて泣き始めた。
俺は、黙ってなのはの背中をさすり続けることしかできなかった。
しばらくして、少し落ち着いたなのはは、俺から身を離すと、
俺の顔を見つめた。

「ゲオルグくん・・・」

「なのは・・・」

見つめあってお互いの名前を呼び合った俺達はそっと目を閉じて、唇を重ねた。
お互いの舌を絡め合わせながらより深くつながろうと俺は顔を少し傾ける。
一度離れて、お互いの顔をじっと見つめ合う。
上気した頬と半開きの唇が普段は凛々しいなのはを扇情的に見せていた。

「ゲオルグくん・・・」

「ん?」

「大好き・・・」

「知ってるよ・・・」

「そうだね・・・」

そして俺たちはまた唇を重ねる。
俺の背中にまわされたなのはの手に力がこもる。
俺は、舌でなのはの口内を蹂躙しながら、なのはの背中にまわしていた手を
なのはの胸にそっと当てた。

「んんっ!」

驚いたなのはが顔を離そうとするが、俺はそうはさせじと
なのはをベッドに押し付ける。
なのはが身をよじって抵抗しようとするので、俺は一度身体を起こして
なのはの顔を見る。

「ゴメン、嫌だったか?」

ベッドの上で肩を上下させながら息をつくなのはは首を横に振る。

「ちょっと・・・びっくりしちゃって」

「続き・・・してもいい?」

俺がそう訊くとなのははもう一度ふるふると小さく首を振った。

「ちょっと怖いかも・・・」

「そっか。じゃあまた今度だな」

俺はそのまま椅子に腰を下ろそうとする。

「あっ・・・」

すると、なのはは声を上げて名残惜しそうな顔で俺の入院服を掴む。

「もう一回・・・キス・・・しよ?」

「わがままな奴め」

俺はそういうと、降ろしかけた腰を上げてなのはのに顔を寄せた。

「あー、ごほん。病院でそういうことするんはちょっと
 控えてくれませんかねぇ、ご両人」

突然病室に響いた声に、俺達は慌てて身を離すと病室のドアの方を見る。
そこには、ジト目のはやてと顔を赤くしたフェイトが立っていた。

「どどどどのへんから見てたの?はやてちゃん!?」

「”続き・・・してもいい?”らへんからやね」

「うぅ・・・恥ずかしい・・・」
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