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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその十一

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「イスラムではそうした考えはないしだ」
「それにですね」
「勝利の為はですね」
「多く眠る必要がありますね」
「将兵達が万全に戦う為に」
「今の我々もそうですし」
「疲れが溜まって敗北につながるならだ」
 それが疲労となってというのだ。
「よくはない」
「左様ですね」
「では作業が終われば」
「将兵達には酸素タンクでなくです」
「ベッドでよく眠ってもらいましょう」
「そうしましょう」
「イスラムは禅宗とは違う」 
 仏教のそれとはというのだ。
「決してな」
「左様ですね」
「そこは違いますね」
「断じて」
「そちらの宗教とは」
「だから眠るなと言う者もいない」
 睡眠欲を戒めないというのだ。
「そもそもアッラーは人に荒行やそうした修行を求められていないな」
「はい、確かに」
「人の努力は認められますが」
「己が身体を責めることは求められません」
「それはありません」
「アッラーは節度を言われるのだ」
 それがイスラムの教えであるというのだ。
「欲を貪ることはあってはならない」
「そのことはですね」
「確かに戒めておられますね」
「それは断じて」
「そうした教えであって」
「欲については」
「節度のうえでだ」
 それがあることを意識してというのだ。
「認めておられる」
「左様ですね」
「それがアッラーのお考えです」
「イスラムの教えです」
「だからですね」
「最初からですね」
「寝てもいいのだ、作業が終わったならな」
 その時はというのだ、アブーは自分と同じ会議の席に着いている幕僚達に対してそのうえで言うのだった。
「存分にだ」
「寝てもらいますね」
「是非ですね」
「身体も頭も休め」
「そしてですね」
「戦ってもらう」
 そして勝ってもらうというのだ。
「是非な」
「そういうことですね」
「では作業が終われば」
「すぐに今の状況を終わらせて」
「そのうえで」
「寝てもらう、そして戦闘になれば」
 その時はというと。
「思う存分だ」
「戦ってもらいますね」
「その時は」
「激しい戦闘になるでしょうが」
「その時も」
「そうしてもらう、それとだ」
 アブーはこうも言った。
「全員馳走をだ」
「戦闘前にですね」
「食べてもらいますね」
「そうしてもらいますね」
「戦闘前だから酒は出せないが」
 それでもというのだ。
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