第二百八十一話 州の南北でその三
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「そうしてくるわ」
「それで、ですか」
「ジューンちゃんと会ってな」
そのうえでというのだ。
「仲間に誘うわ」
「それで来てくれるでしょうか」
「どうしてもって時はしゃあないが」
「来ないならですか」
「またの機会でな」
「そうですか」
「しかし出来る限りな」
メルヴィルはあらためて述べた。
「来てもらいたい」
「そやからですね」
「何とか口説いて来る、その間留守は頼むで」
「では」
「すぐに行って来るわ、居場所はすぐにわかる」
肝心のそれはというのだ。
「ロードアイランド州におるのは間違いないし」
「星の人が活動していますと」
「もう絶対にや」
それこそと言うのだった。
「これ以上はないまでに目立つ」
「それは確かに」
その通りだとだ、ボームも答えた。
「目立ちますね」
「そやな」
「どうしても、強い力を持つ人がです」
「派手に動くとな」
「闇の中に光がある様なものです」
こうメルヴィルに話した。
「それではです」
「目立つわ」
「まさに」
「そやからな」
「今よりですね」
「あの娘のところに行くわ」
こう言って実際にだった。
メルヴィルは席を立ってビルの屋上に出ると即座にグリフォンを出した、そのうえで彼に笑って話した。
「話は聞いてるな」
「はい、ロードアイランド州に赴き」
「自分に乗ってな」
こうグリフォンに話した。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「ジェーンちゃんを迎えるで」
「わかりました、その様にしましょう」
グリフォンも頷いて応えた、そうしてだった。
主が自信の背に乗るとだった、即座に羽ばたき。
ロードアイランド州に向かった、グリフォンは文字通り音より速く進み忽ちのうちに州都であるプロビデンスに着いた。そこですぐに市長に話を聞くとだった。
ミノタウロスの中年女の市長はこう答えた。
「ジェーン様は財団の代表をされてますが」
「それで人助けをしてるんやな」
「左様です、棟梁ではありませんが」
統治者ではないというのだ。
「しかしです」
「財団を設立してか」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「多くの人を助けておられます」
「そやねんな」
「そのことはまだご存知でなかったですか」
「ああ、この州を掌握したがあの娘のことはこれからやった」
「そうでしたか」
「ちょっと急ぎ過ぎたか」
メルヴィルは反省する顔と声で述べた。
「どうも」
「州の掌握についてですか」
「他の州もそうしていったしね」
掌握を進めていったというのだ。
「あの娘の話はちょこちょこ聞いてたが」
「詳しいお話はですか」
「情報収集は後回しやった、まずはマサチューセッツのな」
この州を治めていた
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