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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第74話:ゲオルグとシュミット3佐
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うしたの?」

「ちょっと,話をしないか?」

「いいけど・・・ちょっと待ってね」

なのははそう言うと,部屋に備え付けられている冷蔵庫からスポーツドリンクを
取りだすと,グラスについで俺に手渡した。

「ごめんね。こんなものしかなくて・・・」

俺は近くにあった椅子に腰かけ,なのはの言葉に首を振ると,
なのはの顔をじっと見つめた。
どう話そうか,しばらくそうして考えていると,なのはが目をそらした。

「どうしたの?ゲオルグくん。そんなに見られるとちょっと恥ずかしいよ」

そう言ったなのはの顔は心なしか赤く染まっているように見えた。

「悪い・・・どう話したらいいかなって考えてたんだよ」

「そうなんだ。何の話なの?」

「昼間に俺の部屋でシグナムやヴィータと集まって話を
 したときの話なんだけどさ・・・」

俺がそう言うと,なのはの表情がわずかに曇った。

「突入部隊に私が入るか?って話だよね・・・。どうしてもダメ?」

「正直言って,自分でもわかんないんだよ。
 個人としての俺はなのはに行ってもらいたいんだけどね。
 副部隊長としての俺はそれはダメだって言ってる」
 
「副部隊長としてのゲオルグくんはどうして私が玉座の間に突入するのが
 ダメだと思うの?」

「昼間も言ったろ?なのははヴィヴィオに対して特別な感情を持ってるから,
 冷静に作戦を遂行することが難しいと思ってるんだよ」

「そっか。そうかもしれないね・・・」

なのははそう言うとさみしそうに俯いた。

「どうしても行きたいっていうなのはの気持ちは判る。
 俺だって,身体がまともだったら,自分が突入することを選んでる」
 
「だったら!」

なのはが顔を上げて,俺に食ってかかろうとするのを手で制すると,
俺は天井を見上げた。

「笑ってくれていいんだけどさ,ゆりかごの中が実際どんな風になってるか
 なんて実際突っ込んでみないと判んないだろ?
 そう思ったら,なのはが帰ってこないんじゃないかって,怖くなった」

「そっか・・・」

なのははそう言うと俯いた。よく見ると,少し肩がふるえているように見えた。

「なのは・・・」

次の瞬間,なのはは突然立ち上がると,俺の顔を平手で打ちつけた。
その勢いで,俺は椅子から転げ落ちてしまう。
床に転がった衝撃で傷のあたりに痛みを覚えた俺は,なんとか声を上げまいと
耐えながら,なのはの顔を見上げた。
なのはは怒りの形相で俺を見下ろしていた。

「なんで!?なんでゲオルグくんは私を信じてくれないの?
 私ってそんなに信用できない!?」

「なのは・・・」

「ゲオルグくんの言ってることはわかるよ。私だって,逆の立場だ
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