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夢幻水滸伝
第二百七十五話 洋食を食べつつその四

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「そやろ」
「そやで、美味しかったで」
 綾乃も否定せずに答えた。
「中々」
「やっぱりな、そんなんな」
 それこそというのだ。
「普通はや」
「出来へんねんな」
「そや」
 こう綾乃に言った。
「流石って言うか何て言うかやな」
「まあお酒で綾乃ちゃんに勝てる人はおらへんと思うわ」
 アレンカールも言った。
「誰も」
「そやろか」
「そうそうはね」
「まあ世の中上には上がおるし」
「その上の人もどれだけいるか」
 それこそというのだ。
「その域よ」
「そやろか」
「絶対にね」
 綾乃本人にも言った。
「綾乃ちゃんは何かと規格外よ」
「それ言えるな、そやからあっちの世界でも僕等の棟梁や」
 中里はハンバーグを食べつつ言った。
「ほんまにな」
「将の将たる器ってことや」
 芥川は今は海老フライを食べつつ言った。
「綾乃ちゃんは」
「僕等が将でな」
「綾乃ちゃんはまさにな」
「その将の僕等の上に立つ」
「将の将や」
 それだというのだ。
「ほんまにな」
「そやから十星連合はまとまってる」
 リーは落ち着いた声で述べた。
「綾乃ちゃんが棟梁やさかいな」
「そやな」
「私達は覇を争ったが」 
 かつての戦のことも中里に話した。
「しかしな」
「今思うとやな」
「綾乃ちゃん以外にな」
 それこそというのだ。
「十星連合の棟梁はおらんかった」
「そやな」
「結果論で言うが」
「綾乃ちゃんこそ相応しいわ」
「私達も棟梁をしてきたけど」
 シェリルはジョッキのビールを一気にかなりの量を飲んでから言った。
「ほんま十星連合みたいな巨大勢力になると」
「綾乃ちゃんがな」
「棟梁に相応しいわ」
「まさに天性の棟梁やないとな」
「そやね」
 芥川に応えた。
「私も思うわ、それで棟梁言うたら」
「何や」
「あんたも最初棟梁やったな」
 シェリルは芥川に問う様に言った。
「そやったな」
「ああ、大坂でな」
 実際にとだ、芥川はシェリルのその問いに答えた。
「そやった」
「そやね」
「佐藤兄妹が下におってな」
「それであの二人と一緒にやね」
「ちょっとの間大坂治めてた、大坂城を拠点にな」
 こうシェリルに話した。
「そやったが綾乃ちゃんの話を聞いてな」
「一緒にやってくことにしたんやな」
「そや、綾乃ちゃんのとこには太宰もおったしな」
 彼の名前も出した。
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