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星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その三十五

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「後ろからですね」
「共産党員から構成される督戦隊がいてだ」
「撃たれましたね」
「機関銃でな」
「撃たれたくなれば進め、ですね」
「地雷原をな」
「そうして地雷を撤去させていましたか、これは」
 ラシークはここまで聞いて言った。
「非常にです」
「非道な方法でだな」
「本末転倒です」
「全くだな、私もだ」
「この撤去の方法はですね」
「しない、無駄に将兵や艦艇を消耗するだけでだ」
「そもそも懲罰大隊やそうした部隊自体が」
 それ自体がというのだ。
「存在しませんね」
「そしてこれからも設ける気もな」
「ありませんね」
「一切な」 
 それこそとだ、アッディーンは言い切った。
「ない」
「左様ですね」
「コーランにそうした処罰はない」
 ここでもこの書のことが話された。
「大体な」
「左様ですね」
「そうだ、コーランにない処罰なぞだ」
「してはならないですね」
「絶対にだ、近代法はあるが」
「コーランに懲罰大隊はない」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「それはしない」
「それはいいことです」
「全くだ、だが」
「だが?」
「連合軍では考えているそうだな」
 懲罰大隊めいた組織の創設をというのだ。
「あの国は凶悪犯の権利なぞ考えない」
「むしろ徹底的に侵害しますね」
「残虐な処刑をショーにまでしてな」
「そうしたお国柄だからですね」
「強制労働もさせているが」
 勿論その中で死のうがそのことも何でもない様に扱われ遺体は適当に捨てられてそれで終わりである。墓も建てられない。
「そのうえでだ」
「そうした部隊を設けて」
「そして消耗品としてだ」
 文字通りのそれとしてというのだ。
「使い潰す」
「連合らしい考えですね」
「その考えの下にな」
「連合ではですか」
「ああした部隊も考えているらしい」
「正規軍の矢面に立たせる」
「勿論おかしな素振りを見せるとな」
 その時はというと。
「正規軍が後ろからだ」
「攻撃してですね」
「処刑だ」
「ソ連軍と同じですね」
「あの国はとかく凶悪犯に厳しい」 
 サハラから見ても非道なまでにというのだ、戦乱に覆われ血には慣れている筈の地域から見てもである。
「それでだ」
「そうした悪趣味なこともですね」
「考えてだ」
 そしてというのだ。
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