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星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その十八

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「しかしだ」
「領民も部下もですね」
「粗末にしない」
「そのことがですね」
「流石だ」
 こう評するのだった、シャイターンを。
「つくづく思う」
「それは政治家としてでしょうか軍人としてでしょうか」
「この場合は軍人としてだ」
 アッディーンはこう返した。
「そう言った」
「軍人ですか」
「そうだ、軍人としてだ」
 まさにというのだ。
「見事だ」
「軍人ならですね」
「戦争は犠牲が出るが」
「それでもですね」
「不要な損害は出さない」
「それが重要ですね」
「スターリンは政治家だったが」 
 そのソ連の独裁者はというと。
「軍事にも携わっていた」
「そうでしたね」
「むしろだ、介入していたと言うべきか」
「軍事にですね」
「現場にすらな」
「文民でありながら」
「そして恐ろしい災厄をもたらしたが」
 その災厄こそがとだ、アッディーンはさらに話した。
「二千万の犠牲とだ」
「成人男子の異常なまでの減少と」
「国家への悪影響だ」
「戦場に悪影響を及ぼした」
「そうだった、だからだ」
 それでというのだ。
「スターリンは軍人としてはな」
「失格でしたね」
「もっと言えば政治家としても問題だが」
 それでもというのだ、アッディーンはここではスターリンをソ連軍の最高司令官即ち軍人として話した。
「軍人としてはな」
「戦争に勝とうともですね」
「失格だ」
「将兵を粗末にする様では」
「それではな」
 到底というのだ。
「あってはならない、だが」
「シャイターン主席はそうではない」
「だからいい、しかしスターリンだけでなく」
 アッディーンは難しい顔でこうも言った。
「ヒトラーもだな」
「ドイツの独裁者もですね」
「スターリンと戦ったな」
「まさにその一方ですね」
「二人共現場への介入が過ぎた」
「何かというと介入していましたね」
「君命といえども従えずとあるな」 
 アッディーンは孫子の言葉も出した。
「そもそも国家元首はな」
「戦争ではですね」
「私やシャイターン主席は直接指揮しているからいいが」
「現場に介入すべきでないですね」
「軍人はプロだ、だが国家元首が文民なら」
 即ち戦争については素人ならというのだ。
「現場にはだ」
「介入してはならないですね」
「素人の介入は最悪の結果をもたらす」
「そしてスターリンにしてもヒトラーにしても」
「最悪の結果をもたらした」
 そうなったというのだ、ソ連は後の国家崩壊の原因ではないかというまでの犠牲を出しドイツは敗北した。
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