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第二話 来訪その九

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「クランプ学園の敷地内にです」
「住めるんやな」
「はい、そちらで」
「わい等は戦いの間住むんやな」
「生活費等も用意してありますので」
「生きる心配はないか」
「一切」 
 まさにというのだ。
「ご心配なく」
「何か悪いな」
「戦って頂くのです」
 それ故にというのだ。
「それならばです」
「衣食住のことはか」
「ご心配なく」
「そら有り難いな、ほなな」
「これよりですね」
「そこに住ませてもらってな」
 そうしてとだ、丁に応えた。見れば今の表情もとても明るくかつ口調も非常に気さくな感じである。
「頑張るで」
「それでは」
「ほなあらためてな」
「神威の元にですね」
「行って来るわ」
 あらためて告げてだった。
 空汰は出て行った、そして玳透もだった。
 今は丁の前を去った、一人になった丁は今は何も言わなかった。
 丁が空汰を送り出した丁度その時だった。
 庚は自身の場所で今しがた自分の前に来たばかりの遊人に告げた。
「早速で悪いけれど」
「お仕事ですか」
「ええ」
 遊人に微笑んで話した。
「その時が来たわ」
「では行って来ますね」
「そうしてね、ただね」
「ただといいますと」
「私も別の場所にね」 
「行かれますか」
「そしてね」
 遊人にさらに話した。
「迎えて来るわ」
「そうですか」
「お互い忙しいわね」
「表のお仕事もありますしね」
「貴方は区役所勤務でね」
「貴方は都知事さんの秘書さんですね」
「幸いね」
 庚は笑って話した。
「有能な人で助かるわ」
「それは何よりですね」
「若しもね」 
 ここでだ、庚は遊人にこうも話した。
「あの人が無能なら」
「それだけで、ですからね」
「都政は大変なことになるわ」
「そうですよね」
「選挙は難しいわね」
「有能な人が選ばれる場合もあれば」
「そうでない場合もあるわね」
 こう言うのだった。
「そうでしょ」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「今はね」
「庚さんもですね」
「有り難く思っているわ」
「それは何よりですね、ではね」
「これからですね」
「私は迎えに行って」
「僕もですね」
「お互いそうしましょう」
 遊人に微笑んで話した。
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