暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その七

[8]前話 [2]次話
「よくはない」
「左様ですね」
「清潔さも保たねば」
「艦艇の中もですね」
「そして基地も」
「清潔でなければ」
 それこそというのだ。
「やはりな」
「どうしてもですね」
「衛生的にもよくなく」
「整理整頓もよくはないので」
「だからですね」
「そこは忘れてはならない」
 シャワーと清掃はというのだ。
「決してな」
「ですね、中には無精者もいてです」
「シャワーすら入りたがらない者もいます」
「一日一回のそれも」
「困ったことに」
「古代エジプトの神官になれとは言っていない」
 アブーはこうも言った。
「仕える神によって違ったそうだが彼等は一日三回の沐浴をしていたな」
「一日三回とは」
「また極端ですね」
「神に仕えるなら身体を清めなくてはならない」
「その考えの下ですね」
「そうしていた様だが」
 流石にと実際に顔に出してだ、アブーは話した。
「イスラムではそこまで言わない」
「礼拝は一日五回します」
「それだけです」
「清潔さは保たなくてはならないですが」
「それでもですね」
「我々としては」
「一回でもいい、ただ清潔さは重要だからだ」
 このことを念頭に置いてというのだ。
「やはりな」
「毎日ですね」
「シャワーに入らせますね」
「そうしますね」
「そこはな、身体を奇麗にし掃除をすることもだ」
 このこともというのだ。
「軍隊の務めだ」
「左様ですね」
「それではですね」
「そうしたことも忘れず」
「そのうえで」
「そうだ、戦う用意をしていく」
 こう言ってだった、アブーは自分の率いる将兵達にも命を出した。そのうえでモニターで艦隊の動きを観て話した。
「遅いな」
「では、ですか」
「ここは、ですか」
「速度を速めますか」
「そうしますか」
「オムダーマン軍は速い」
 その動きはというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「我々としてもですね」
「速度を速める」
「そうしますか」
「退く方は追う方よりも迅速であれ」
 絶対にという言葉だった。
「そうだな」
「追い付かれれば終わりです」
「我々は殿軍を置いていますが」
「その殿軍も追い付かれるよりです」
「やはり無事に退いた方がいいです」
「だからですね」
「我々としては」
「進軍を速める」
 こうも命じるのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ