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第二話 来訪その五

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「それじゃあ」
「行ってくれますか」
「そうさせて頂きます」
「宜しくお願いします」
「すぐに行ってきます」
「それでは」
 こう話してだった。
 彼はすぐに出た、そしてだった。
 周りにだ、こうも話した。
「ではです」
「はい、これよりですね」
「天の龍の方々がですね」
「来てくれるので」
 それでというのだ。
「迎える準備もです」
「それもですね」
「整えますね」
「そうします」
 こう話した。
「宜しいですね」
「わかりました」
「それでは」
 周りも応えた、そうしてだった。
 丁はそちらの準備も進めさせた、だが。
 玳透も周りも気付かなかった、彼女の後ろに何かがいたことを。それは誰も気付かずその何かが動いたことも。
 神威は学校から自分のアパートの部屋に帰ろうとしたが。
 玳透はその彼の前に現れて言ってきた。
「いいだろうか」
「前の連中と同じか」
「前の?」
 玳透は神威のその言葉に眉を動かした。
「君は何を言ってるんだ」
「知らないか」
「知らないも何も」
 神威にさらに言った。
「司狼神威君だね」
「それがどうかしたか」
「君を迎えに来て欲しいと言われたんだ」
「誰にだ」
「丁様に」
「昨日の連中の黒幕か」
「いや、黒幕なんかじゃない」
 玳透はとてもと返した。
「あの方は素晴らしい方だよ」
「お前はそう思っているのか」
「それは君が知らないだけだよ」
「その丁とかいう奴のことをか」
「うん、それでだが」
 玳透は神威にあらためて話した。
「僕の名前は砕軌玳透」
「そうか」
「君を迎えに来たんだ」
「何にだ」
「知っているかな、天の龍の一人としてね」
「七つの封印か」
「そう、そこまで知っているなら話が早い」
 玳透は神威の言葉に目を輝かせて応えた。
「では一緒に」
「断わる」
 神威はぶしつけな調子で答えた。
「興味がない」
「いや、それは困る」
「何故だ」
「君は運命から逃れられない」
 神威に間島な顔で話した。
「やるべきことがあるんだ」
「だからか」
「僕と共に来てくれないか」
 去ろうとする神威にあらためて話した。
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