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第一話 開幕その二十一

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「いいな」
「最後はか」
「三人でなのね」
「もっと言えば共にいる人達ともだ」
 こうも言うのだった。
「いいな」
「本当にわからないけれどな」
「お父さんがそう言うなら」
 二人はそれならと答えた。
「私達そうするわ」
「神威や他の人達ともな」
「わしは信じる、心から死にたいと思っていないとだ」
 そうでないと、とだ。鏡護は話した。
「人は運命にあがらえる、そして運命を変えられる」
「運命は絶対じゃないのか」
「わしはそう考える、確かに運命の力は強いが」
 封真に対して話した。
「それでもだ」
「変えられるものなんだな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「運命はな」
「そうしたものなんだな」
「どれだけ辛く苦しくてもだ」
「運命は変えられるんだな」
「その中には最悪のものもあれば」
 そうした運命もあればというのだ。
「最善のものもだ」
「最善の運命か」
「それもある、そしてだ」
「そして?」
「全てには正と逆がある」
 その両方がというのだ。
「そのことも知ることだ」
「正と逆か」
「表と裏とも言うが」
 それと共にというのだ。
「そうもだ」
「言うんだな」
「誠実でももう一人いてだ」
「その人は誠実でないか」
「邪悪であったりだ」
 封真にさらに話した。
「憎んでいると言っても」
「違ったりか」
「そうでもある、人程複雑な存在はない」
 鏡護は封真にさらに話した。
「善と悪が共にありだ」
「憎んでいると言ってもなの」
「実は違うこともだ」
 今度は小鳥に話した。
「あるのだ」
「それが人間なのね」
「そういうものだ、純粋な善人も悪人もだ」
「いないのね」
「わしの知る限りではな」
 そうだというのだ。
「いない」
「そうなの」
「そして世界は大きい」
 今度はこう話した。
「人間は小さい」
「世界は大きくて」
「人間はどれだけいてもな」
「小さいのね」
「神の前には全てが小さいというが」
「人間もなのね」
「小さい、そのことも知るのだ」
 小鳥に告げた。
「今はわからなくても覚えていればな」
「それでなのね」
「わかる筈だ」
 こう言うのだった。
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