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第一話 開幕その十九

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「丁様の言われる通りに」
「宜しくお願いします」
「そうしてきます」
「まだ天の龍は二人です」
「二人ですか」
「それだけしかこの東京にいませんが」
「これからですね」
「七人がです」
 即ち全員がというのだ。
「揃います」
「そして揃えば」
「遂にです」
「人間を守る戦いがはじまりますね」
「はい」
 丁はその通りだと答えた。
「そうなります」
「そうですね、それでは」 
 玳透は確かな顔と声で応えた。
「まずはです」
「宜しくお願いします」
「それでは」
 丁に約束してだった。
 玳透は彼女に深々と一礼をしてその場を去った、だからこそわからなかった。
 丁の後ろに何か邪なものがあったことを、それは気付かなかった。
 長身で知性だけでなく人生の確かな経験を感じさせる皺も目立つ端整な顔に白いものが混じった短くした髪の毛を持つ神主の服の男がだった。
 神社の境内にいてだ、そうして優しい目をした長身で短い黒髪で面長の黒い詰襟の制服の少年と奇麗な目をした楚々としていて儚げな雰囲気で顎の先が尖った顔で薄茶色の波がかった長い髪の毛と膝までの丈の制服を着た少女に話していた。
「近いうちに神威君が戻って来るそうだ」
「えっ、神威が」
「神威ちゃんがですか」
「そうだ」
 その男桃生鏡護は息子の桃生封真と桃生小鳥に話した。
「今日連絡が来た」
「そうか、神威が戻って来るんだな」
 封真は感慨を含んだ声で述べた。
「そうなんだな」
「どうなってるかしら」
 小鳥は微笑んで述べた。
「一体」
「会うのが楽しみだな」
「そうよね」
「うむ、しかしな」
 それでもとだ、桃生は二人に話した。
「彼はどうもだ」
「どうも?」
「沖縄にいたというが」
「そういえばそうした話を聞いたな」
 封真は父の言葉に思い出した様に述べた。
「あいつはこの東京からな」
「沖縄になのね」
「引っ越してな」
 そうしてとだ、妹に応えて話した。
「そうしてだ」
「そのうえでなのね」
「暫く暮らしていたらしい」
「そうだったのね」
「だがどうしていたか」
 その沖縄でというのだ。
「俺は知らないんだ」
「そうなのね」
「わしもだ」
 桃生も言ってきた。
「彼がどうしていたかな」
「知らないのね」
「そうだ、だがな」
「神威ちゃんが戻って来るなら」
「それならな」
「ええ、お迎えしてね」
 小鳥はさらに話した。
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