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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第23話:シュミット3佐の妙に忙しい一日
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に笑いかけた。



部隊長室を出て隣の副部隊長室に戻ると,
俺は机の上の決済書類を処理し始めた。
半分ほどを片付けたところで,来客を告げるブザーが鳴った。
俺がどうぞというと,ドアが開きグリフィスが入ってきた。

「ゲオルグさん,昨日の緊急事態対処訓練の報告書です」

「お,早いね。ありがとう。で,退避経路の件はどう?進んでる?」

「少しずつですね,今は映像を確認しながら,避難経路の問題点を
 洗い出そうとしている最中です」

「まぁそのへんは,各隊からの意見書が上がってきてからでかまわないよ。
 ただ,ある程度方向性が見えた時点で俺にも報告してね」

「はい了解です」

俺はグリフィスがまだ動こうとしないのを見て怪訝に思った。

「まだ何かある?」

「実はですね,小火器類の調達について本局運用部から
 正式に却下すると通達がありまして」
 
「あらら,理由は?」

「たかが1部隊の隊舎防衛のために質量兵器の配備は許可できないと」

「本局は地上がどんだけ危険性に満ちているか理解してないんだよね。
 ったく,自分たちは安全なところにいるから平和ボケしてんだよな。
 だから陸に目の敵にされてんのにさ。ほんとに忌々しい連中だなー,
 殺るかぁ?」

俺が手に持ったペンで机をバシバシ叩きながら言うものだから
グリフィスは恐怖を感じたのか,身を固くしていた。
俺は,叩きすぎて折れてしまったペンをゴミ箱に放り込むと
少し考え込んだ。

(隊舎へのAMF発生装置と合わせて防衛戦力増強策として
 期待してたんだけどな・・・強引にねじ込んでもはやての
 立場が悪くなるし・・・)

「まぁ,人間あきらめも肝心だよな。しょうがないから,
 小火器類の配備はお流れってことにしよう」
 
「よろしいんですか?」

「よろしくはないよ。でもどうしようもないしね」

「わかりました」

グリフィスはそう言うと,退室していった。



俺が決裁書類処理を再開して,決済書類の山がそろそろ無くなろうとしたころ,
再び来客を告げるブザーが鳴った。
俺がどうぞというと,ドアが開きアルトが入ってきた。

「副部隊長。今よろしいですか?」

「すまん,ちょっと急用!すぐ戻るから適当に待ってて」

俺はトイレに向かってダッシュしていた。
トイレに着いて用をたした俺は,落ち着いて副部隊長室に戻って行った。

(あぶねぇ・・・危うく漏らすところだった・・・)

俺が副部隊長室に入ると俺が出て行く前と同じように俺の机の前に
アルトが立っていた。

「で,何の用かな?」

「先日の緊急事態訓練・・・でしたっけ?
 あれのロングアーチ分の意見書です」

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