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第一話 開幕その十六

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「貴方もね」
「渾名で呼んでくれるんだ」
「それで牙ちゃんだけれど」
「いいね」
 また微笑んでだ、牙暁は北都に応えた。
「ではそう呼んでくれるかな」
「そうするね、牙ちゃん」
「うん、では僕も渾名で呼んでいいかな」
「勿論だよ」
 北都はここでもにこりと笑って答えた。
「僕もそう呼んでね」
「では北都さんとね」
 その様にと言うのだった。
「ちゃん付けになるかも知れないけれど」
「それでいいよ」
 北都はそれをよしとした。
「それじゃあね」
「うん、お互いにね」
「仲良くしていこう」
「是非ね。では僕は地の龍として」
「夢の中にいて」
「僕のやるべきことを果たしていくよ」
「頑張ってね、牙ちゃん」
 ここでもにこりと笑ってだ、北都は牙暁に応えた。
「僕はどっちでもない立場だけれど」
「応援してくれるんだね」
「そうさせてもらうね、ただ本当にね」
「未来は一つではない」
「そのことはわかってくれるかな」
「今は」
 悲しい顔に戻ってだ、牙暁は答えた。
「わからない、いやわかることがね」
「出来ないね」
「これまで多くの未来を見てきたから」
 運命、それをというのだ。
「だからね」
「そうなんだね、けれどね」
「それでもだね」
「あたしはそう考えているから」
「未来は一つじゃない」
「償えない罪もないしね」
 こうも言った。
「そして天の龍も地の龍も周りの人達も人間だよ」
「人間・・・・・・」
「そう、人間だよ」
「そのことが大事なんだ」
「そうだよ、星ちゃんだってね」
 自分を殺した彼もというのだ、北都はそこに一切の恨みや憎しみがないそうした笑顔で牙暁に話した。
「人間だよ」
「言われてみると」
「そうだよね」
「うん、彼は嘘吐きだけれどね」
 それでもと言うのだった。
「心はね」
「人間だね」
「そうだね」
 その通りだとだ、牙暁は北都に答えた。
「彼もね」
「この戦いではそのことが大事だよ」
「皆が人間であることが」
「そうだよ、人間は色々問題があるけれど」
 それでもと言うのだった。
「とんでもなく素晴らしいものでもあるからね」
「だからなんだ」
「そう、それでね」
 その為にというのだ。
「この戦いきっと皆素晴らしい結論にね」
「至るんだ」
「そうなるよ」
 こう牙暁に話した。
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