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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第18話:はじめてのたたかい
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機動六課が発足して1ヶ月がたった。
クレイから情報を受け取ってからの俺は,
昼は部隊運営関係の事務を淡々とこなし,
夜は寮の自室で通信記録と文書の分析という
まぁまぁ忙しい日々を送っている。

今は,俺の執務室でグリフィスとフォワード陣以外のメンバーの
戦闘可能者リストを見ながら,緊急事態への対処マニュアルについて
相談している。

「意外というかやっぱりというか,戦闘に耐えうる人間て多くないな」

後方支援やバックヤードのメンバーの総数の割にはペラペラなリストを
パラパラとめくりながら,俺はグリフィスに言った。

「そうですね。僕もそうですけど,後方支援に回る局員は
 戦闘に耐え得ないからそういう道に進まざるを得ないという側面が
 強いですから」

「うーん。実質魔導師として戦闘に参加できそうなのは,
 10人いればいいとこだね」

「そうですね。しかも彼らは継続して訓練しているわけではないですから」

「戦力化にも時間がかかるか。実質,俺とシャマルとザフィーラの3人で
 当面は支えなきゃならんのか。辛い状況だね」

俺はそう言うと,頭をかきむしった。

「ところで,小火器類の手配はどう?進んでる」

俺がそう尋ねると,グリフィスは渋い顔をした。

「いえ,本局の動きが鈍くて,もう少しかかりそうですね」

「ったく,運用部の連中はいっつも仕事が遅いんだよ」

俺が悪態をつくと,グリフィスがとても済まなそうな顔になった。
それを見て,俺はグリフィスの母親が運用部所属なのを思い出した。

「いや。ロウラン提督のことを言ってるわけじゃないからな」

「恐縮です」

俺は,ますます居心地悪そうなグリフィスを見て,
いたたまれなくなり話題を変えることにした。

「そういえば,今日はフォワード連中の実戦用デバイスが完成したらしいぞ」

俺は今日の朝食をたまたまなのはと一緒に食べた時にそう聞いていた。

「みたいですね。シャーリーが昨日やっとできたーって小躍りしながら
 デバイスルームから出てきてましたから」
 
グリフィスはその様子を思い出したのか苦笑していた。

「ま,これでやっと所定の戦力が整ったってとこか。やれやれだ」

「そうですね。こちらの計画はまだまだですが」

「まぁ,しょうがないでしょ。とりあえず,当面の対処計画としては,
 非戦闘員の迅速な退避に軸足を置くことにして,並行して
 防衛戦力になりそうなメンバーの訓練計画を立てていくことにしようや」
 
「了解です。では,僕のほうで素案を作成しますので,
 できたら一度協議しましょうか」
 
「おう,頼むわ。いつも悪いな,めんどくさいところばかりやらせて」

「いえ
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