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年上趣味でも
第一章

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               年上趣味でも
 銀行員の火野修造は自分で年上の女性が好きだと言っている、それでだ。
「結婚するならか」
「年上の人か」
「そうしたいんだな」
「うん、やっぱり大人の雰囲気がね」
 年上の女性のとだ、火野は同期の面々と一緒に居酒屋で飲んでいる時に話した。黒髪をショートにしていて切れ長の大きな優し芽で卵型の顔で普通位の大きさの唇は薄い。背は一七二程で痩せた身体である。
「いいよ、だからね」
「年上の人と付き合って」
「そしてか」
「結婚もか」
「だから風俗行くにしても」
 火野も男であり今は交際相手がいないのでそうした店にも行く、それにだ。
「DVDでもね」
「それでもか」
「やっぱり年上か」
「お前から見て」
「好きな女優さんもだしね、それでアイドルの娘達は」
 彼女達のことも話した。
「中学高校の頃はね」
「ああ、自分より年上でか」
「応援してる娘もいたか」
「そうだったんだな」
「けれど大学生になって今は」
 社会人になったらというのだ。
「アイドルの娘も大抵年下だから」
「興味なくなったか」
「そうなったか」
「そうなんだ、声優さんは違うけれど」
 この仕事の人達はというのだ。
「結構年上の人が多いからね」
「もう徹底してるな」
「徹底した年上好きだな」
「そこまでいくと」
 同期の面々も火野の話を聞いてそこまでとなった、兎角彼は年上趣味で精々同じ歳でもないと目を向けず年下だと一切だった。
 だがそれでもだ、ある日のこと。
 ある同期がチェーン店の本屋のレンタルDVDのコーナーにいる彼に気付いた、二人共仕事帰りであったが。
 火野はアダルトのコーナーにいたが同期はそこで気付いた。
「あれっ、お前三十代四十代の人はチェックしても」
「それ以上はだね」
「五十代になると」
「うん、四十代まではいけるけれど」
 火野は同期にそれでもと話した。
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