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オズのボームさん
第十一幕その五

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「一回や二回で駄目でも」
「覚えられなくても」
「百回すれば違う」
「上手にもなるし」
「もっとやるともっとよくなるんですね」
「そうだよ、だからすぐに結果は出なくても」
 それでもというのです。
「やっていくことだよ」
「そうした人の意見は聞かなくていいですか」
「すぐに結果を出せとかいう」
「そうした意見はですね」
「聞かなくていいですね」
「そして結果が全てじゃないよ」
 ボームさんはこうも言うのでした。
「結果だけを見たら途中はどうでもいいよね」
「努力もですね」
「やっていくことも」
「オズの国ではないですがズルをしてもいい」
「そうしてもいいですね」
「そうもなりますね」
「だから結果しか求めていないと」
 そうした考えならというのです。
「何もならないよ」
「そういうことですね」
「途中までの努力も大事ですね」
「九十九パーセントの努力も」
「それも大事ですね」
「結果を出すまでも」
「だからエジソンさんも言ったんだよ」 
 他ならぬこの人もというのです。
「九十九パーセントの努力がないとってね」
「そこに一パーセントの閃きですね」
「閃きがないと駄目でも」
「その九十九パーセントの努力がないと」
「何もならないですね」
「結果だけじゃないですね」
「努力を否定する人はね」
 そうした人はといいますと。
「閃きだけだよ」
「それだけですか」
「それだけを見ている人ですか」
「たった一パーセントの閃き」
「それだけを見て」
「努力は見ない人ですね」
「それじゃあ何かなる筈がないよ」
 絶対にとです、ボームさんは断言しました。
「本当にね」
「確かにそうですね」
「九十九パーセントって殆どですから」
「その殆どを否定したら」
「本当に何にもならないですね」
「割合だけ見てもそうですね」
「うん、だから努力を否定する人は駄目なんだ」
 そうなるというのです。
「皆もわかったね」
「はい、よくわかりました」
「九十九パーセントの努力を否定したら」
「それで一パーセントの閃きだけ見ていたら」
「冗談抜きで何もならないです」
「それじゃあ」
「そういうことだよ、だからオズの国では努力は否定されないよ」
 それはないというのです。
「そんなことじゃ何も出来ないからね」
「この図書館だってそうですよね」
「建てられなかったですし」
「それで今の整頓も」
「ここまで来なかったですね」
「終わりが見えなかったですね」
「そうだったよ、何もかもね」
 それこそというのです。
「出来ないよ」
「人は努力を否定したら何も出来ないわよ」
 オズマも言ってきました。
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