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ホームレスを救った犬達
第二章

[8]前話
 その話を聞いてだ、ブラジルの首都ブラジリアでシェラスコ屋をしているエドナ=コボリ黒い髪と目で太った中背の中年男である彼は友人でかつてはホームレスをしていた肌が黒くドレッドヘアをしている自動車工のセバスチャン=マラゴーナにその話をしてだった。
 そのうえでだ、こう彼に問うた。
「どう思う?」
「俺の話そっくりだな」
 マラゴーナはコボリの家で共にコーヒーを飲みつつ笑顔で応えた。
「もうな」
「そうだよな」
「ああ、俺も前はホームレスでな」
 それでとだ、二人の傍にいる痩せていて垂れ耳の茶色と白の大型の雌犬を見て話した。
「どうなるかわからない時にな」
「ミミに癒されていたよな」
「ああ、ミミがこの家の前を通るとな」
 その犬、ミミを見つつ話した。
「いつも近寄ってくれてな」
「おおはしゃぎだったな、いつも」
「俺もそれが嬉しくてな」
 自分を見るととても嬉しそうな彼女をというのだ。
「頭とか腹とか撫でてな」
「それで癒されていたな」
「そうだったからな」
「フランスの人と同じだな」
「ブルームさんって人はな、辛い時に癒されて」
「多分その人もな」
 コボリもコーヒーを飲みつつ話した。
「一緒だったろうな」
「癒されて元気が出てな」
「再就職も出来てな」
「部屋も手に入れたな」
「そうだな」
「犬はいい生きものだよ」
 マラゴーナは微笑んで述べた。
「どんな奴でも癒してくれるからな」
「ホームレスみたいに辛い状況の人達でもな」
「あの時の俺みたいにな」
「しかも人を見抜くしな」
 コボリはこうも言った。
「余計にいいな」
「いい人をな」
「あんたもな、だから俺も友達になったんだ」
「そうなんだな」
「ああ、それでな」 
 マラゴーナにさらに話した。
「ミミを今も可愛がってるだろ」
「可愛がっていたら悪いか?」
「いや、むしろどんどんそうしてくれ」
 飼い主はマラゴーナに笑って応えた。
「ミミも喜ぶからな」
「そうなんだな」
「じゃあ今もな」
「ああ、遊ばせてもらうな」
「それじゃあな、じゃあミミ今から遊ぶか」
「ワンッ」
 ミミは嬉しそうに鳴いて応えてだった。
 マラゴーナのところに駆け寄った、そのうえで。
 彼と遊んだ、彼等はとても楽しそうで見守るコボリも自然と笑顔になったのだった。
 

ホームレスを救った犬達   完


                   2022・11・24
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