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お金を稼ぐ猫
第一章

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                お金を稼ぐ猫
 オクラホマ州タルサでマーケティング会社を創設し経営しているスチュワート=マクダネル大柄でやや太っていて薄くなったブロンドの髪と青い目を持つ彼はこの時ミステリーを前にしていた、それでだった。 
 社員達にだ、首を傾げさせつつ言った。
「毎朝出社するろ会社のビルの入り口にお札があるな」
「え、一ドル札が」
「何枚もありますね」
「どういう訳か」
「そうなっていますね」
「うちのビルの入り口はガラスの自動ドアなんだが」
 それでもとだ、彼は社員達に話した。
「どういうことだろうな」
「会社にいるのは彼だけですが」
「我々が退社した後は」
「その筈ですが」
「ニャア」
 太った下が白いトラ毛の雄猫サー=ファインス=ア=ロット通称ロットを見て話した。かつては野良猫だったが生後半年程の時に空き地で保護されマクダネルが引き取って会社のビルで社員の癒し手として採用しているのだ。
 そのロットを見てだ、社員達も言うのだった。
「ロットが関係あるんでしょうか」
「まさか」
「そんな筈ないですよね」
「流石に」
「猫がお金を出したら凄いな」
 かえってとだ、マクダネルも言った。
「日本の童話みたいに」
「打ち出の小槌ですね」
「あのお話みたいにですね」
「お金をどんどん出したら」
「かえって凄いですね」
「ああ、しかし会社のお金は金庫にしっかりと保管していて」
 その番号は社長のマクダネルだけが知っていて彼に何かあればその時は弁護士にしっかりと言っている。
「減っていないしな」
「じゃあ会社のお金じゃないですね」
「間違っても」
「じゃあどうしてでしょうか」
「お金があるんでしょうか」
「入口にカメラ仕掛けてみるか」
 それで自分達がいない間に何が起こっているか観ようというのだ。
 マグダネルは実際にそうしてみた、すると。
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