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オズのボームさん
第八幕その八

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「来られました」
「そうだね」
 ボームさんが応えました。
「今ね」
「来られました」
「うわっ、凄いですね」 
 神宝はそのオズマ達を見て言いました、見ればです。
 オズマ達はそれぞれ龍袍中国の皇帝が着る服を着てやってきました、五人共様々な宝石や金銀を使った糸で装飾されたオズの国の五色を配して九匹の龍を描いた服と冠を身に着けてお部屋に入ってきました。
 ですが服がそれぞれ違うのでトトが言いました。
「あれっ、それぞれね」
「服が違うわね」
 つぎはぎ娘も言いました。
「そうね」
「同じ龍を飾った服でも」
「かなり違うわね」
「それは王朝によって違うからなんだ」
 ボームさんがお話します。
「中国の服はね」
「時代によって違うんだ」
「そうなんだ、時代によって服も変わるね」
「オズの国でもね」
 トトもそれはと答えます。
「そうだね」
「それでなんだ」 
「中国でもそうでね」
「だからドロシー達もなんだ」
「同じ龍袍でもね」
 それでもというのです。
「デザインが違うんだ」
「そうなんだね」
「私の服は宋の頃のものなの」
 オズマが微笑んでお話しました。
「その頃よ」
「私は唐よ」
 ドロシーはこの時代でした。
「その時代の服なの」
「私は清なの」 
 トロットも言ってきました。
「一番新しい時代ね」
「それで私は明なの」
 最後にベッツイが言ってきました。
「どうかしら」
「皆凄く似合ってるよ」
 かかしは四人に手放しという感じで言いました。
「まさにプリンセスの中のプリンセスだよ」
「四人揃うと尚更いいね」
 樵も四人に言います。
「豪華絢爛だよ」
「そうだね、ただね」
 臆病ライオンはここでこう言いました。
「四人共王女様だね」
「そうだよ、だから着ている服は実は皇帝のものでなくてね」
 ボームさんがお話します。
「皇后のものだよ」
「女性だからだね」
「龍袍は皇帝と皇后そして皇帝のお母さんである皇太后しか着られなかったんだ」
「そうだったんだ」
「あと先の皇帝上皇もかな」
 この人もというのです。
「着られたんだ」
「そうした風になっていたんだ」
「それでオズマ姫達は女の子だから」
「皇后さんの服だね」
「それを着ているんだ」
「そうなんだね」
「そうだよ、そしてね」
 ボームさんはさらに言いました。
「オズマ姫達はその服だけれどオズの国の国家元首だから」
「いいんだね」
「そうだよ」
「あれっ、龍の数が違うね」 
 腹ペコタイガーはこのことに気付きました。
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