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幸せを得た虎達
第二章

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「すっかりよくなりましたね」
「そうですね」
 団体の女性スタッフも応えた。
「最初は酷かったですからね」
「サーカス団から保護された時は」
「そこでは最初から病気で」
「獣医さんもいなくて」
「それで満足に治療も受けていなくて」
「体毛が抜けて弱りきっていましたが」
「それがです」
 その状況がというのだ。
「保護されてこちらに入って」
「博士が白癬だと診察されて」
「治療してでしたね」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「今ではすっかりよくなって」
「入浴治療も受けて」
「最初は入浴は苦手でも」
「今では慣れて大好きになって」
 その入浴もというのだ。
「スマグラーを紹介したら」
「ああしてですね」 
 今度は大柄な雄の虎を見て話した。
「仲良くなって」
「いい夫婦になりましたね」
「不幸を受けても」 
 そうした虎達でもというのだ。
「幸せになるべきです」
「全くですね」
「ではこれからも」
「頑張っていきましょう」
「不幸な生きもの達を救っていきましょう」
「虎達も」
 猛獣と呼ばれる彼等もとだ、二人で話してだった。
 リールは幸せそうなアーシャにだ、笑顔で話した。
「スマグラーと幸せにね」
「ガウガウ」
 アーシャはリールに鳴いて応えた、それはお礼を言っている様でも返事をしている様でもあった。どちらにしても幸せそうなものであった。


幸せを得た虎達   完


                    2022・10・26
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