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麗しのヴァンパイア
第四百九十七話

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               第四百九十七話  その時の博士は
 天本博士はこの時自身の研究所で読書に励んでいた、小田切君は博士が何を読んでいるのか気になって尋ねた。
「何読まれてるんですか?」
「マサチューセッツ工科大学の論文じゃ」
「それですか」
「今年度の主なものをな」
「というと英語ですね」
「うむ、こうしたものを読むこともじゃ」
 小田切君に読みながら話した。
「刺激があるのじゃ」
「博士にとってはもう通過した段階ですね」
「まあわしを百とすればゼロコンマ二百程の域じゃな」
「そんなレベルでもですか」
「人類の科学の進歩の状況を確認出来てな」
 それでというのだ。
「これはこれでじゃ」
「刺激があるんですね」
「知的なな」
「そうなんですか」
「人類の進歩の状況を確認してな」 
 そうしてというのだ。
「これからどうなるか」
「そのこともですか」
「考えることもな」
 こうしたこともというのだ。
「面白いのじゃ」
「そうですか」
「勿論他の大学の論文も読む」
 マサチューセッツ工科大学に限らないというのだ。
「そして科学だけでもじゃ」
「ないですか」
「文系も読むしな」
「色々読まれてるんですね」
「そうじゃ、よかったら小田切君も読むか」
 博士は彼にも読書を勧めた。
「英語も読めるじゃろう」
「ええ、まあ」
 小田切君も英語は読める、理系の研究には英語も読めた方が何かと便利であるから身に着けたことだ。
「読めます」
「ではどうじゃ」
「はい、一つ面白そうなものを」
「この論文が面白い」 
 小田切君に応え論文の一つを出した。
「読むといい」
「それじゃあ読みます」
「今日は論文を読んで楽しもう」
 こう言ってだった。
 博士はマサチューセッツ工科大学の論文を読んでいった、そのうえで人類の文明の進歩も確認するのだった。


第四百九十七話   完


                   2022・8・12
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