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一児の母のスタイルでないので
第二章

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「お前バスト九十あるだろ」
「結婚してから測ってないわ」
「ウエスト六〇だな、ヒップは九十」
「そこまでわかるの」
「それで今日の水着何時のだった」
「高校の時のよ」 
 恵美子は素直に答えた。
「大学の頃からプールも海も行かなかったから」
「ずっと水着買ってなかったな」
「そうだったわ」
「そのスタイルで高校の時の水着だとな」
 それならとだ、夫は言った。
「結構パツンパツンでな」
「着けてそんなに苦しくなかったわよ」
「見ていると溢れてたんだよ」
 何が溢れているかは言うまでもなかった。
「だからついな、そういえば結婚してからベッドの中じゃすぐに服脱いで下着姿も見てなかったな」
「そうだったかしら」
「ああ、お前スタイルエロ過ぎるぞ」
 隣で寝ている妻に言った。
「今日プールでわかった」
「それでパレオ着けろとか言ったの」
「俺が見ても刺激が強過ぎたんだ」
 夫は妻に真顔で話した。
「それだと周りにもな」
「余計になのね」
「ああ、自分の奥さんがそう思われるのも嫌だしな」
 夫としてというのだ。
「そうしてもらったんだよ」
「そうなのね」
「ああ、それで家に帰って」
「激しかったのね」
「お前本当に身体エロいぞ」
 今気付いたことだった。
「裸でいるよりも水着でわかった、だから今度からな」
「水着?」
「同じ様なデザインの下着でいいよ」
「ビキニって下着と変わらないしね」
「ああ、二人の時はそれでいてくれるか」 
 下着姿でというのだ。
「そうしてくれるか?」
「それじゃあね」
「ぐっとくるからな、じゃあ今夜は寝ような」
 寝室と浴室で猛獣の様になったからだ、それでだった。
 夫はすぐに寝られた、そして相手をした恵美子も。実際恵美子は結子を寝かせると夫の前では下着姿になったが。
 夫は以前より遥かに彼女を求める様になった、そして気付けば。
 結子に妹が出来た、スイミングスクールに通う様になった彼女は姉になり。
 三人目もだった、恵美子は病院から帰って夫に話した。
「三人目も女の子よ」
「そうか、そのスタイルだとな」
 崩れていない妻を見てだ、夫は話した。
「それも当然だな」
「三人目も?」
「ああ、本当に来るからな」
 笑って妻に話した、全てはプールに行ってからだった。だが夫婦は何故自分達に娘が一人から二人やがて三人になったかは話さなかった。あまりにも内輪のことなので。


一児の母のスタイルでないので   完


                  2022・9・21
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