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嘘告白の筈が
第一章

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               嘘告白の筈が
 友人達でカラオケに出て歌の得点で最下位になった時にしようと決めたその罰ゲームにだ、悠木文夏は困り果てた顔になった。大きな垂れ目にロングの黒髪に微笑んだ口元で背は一五〇位で普通位のスタイルだ。
 白い半そでのブラウスと青りリボンとミニスカートの通っている高校の制服が似合っている、その彼女が今友人達に言っていた。
「誰よ、こんな罰ゲーム入れたの」
「私よ」
 ツインテールのクラスメイトが言ってきた。
「罰ゲーム書いた札百もあったでしょ」
「だからなの」
「一つ変なのあってもね」
「当たらないって思ったの」
「それで書いたけれど」
「そうなのね」
「止める?」  
 ツインテールのクラスメイトは文夏に申し訳なさそうに言った。
「これあんまりだし」
「そうよね、文夏も傷付くし」
「広本君もね」
「嘘告白なんてされたら」
「誰にもよくないし」
 他の友人達も言った。
「他の罰ゲームにしましょう」
「文夏が当たったけれど」
「これは没ね」
「それにしましょう」
「いや、やるわ」
 文夏は止めようと言う友人達に意を決した顔で返した。
「私はね」
「広本君に告白するの」
「そうするの」
「罰ゲーム受けて」
「そうするわ」
 自分のクラスメイトである彼にそうするというのだ。広本巧は一七四程の背で中肉で面長で優しい顔立ちをしている。黒麻実を右で分けていてクラスでは成績優秀で優しい性格の持ち主として知られている。実は彼女は彼が好きなのだ。
 それでだ、友人達に言うのだった。
「ここはね」
「いいの?嘘告白なんて」
「そんなことして」
「それでもいいの」
「決まったからね」
 こういうことにしてだった。
 文夏はその彼を放課後校舎の屋上に呼び出した、友人達は後の話を聞くことにしてそれぞれの放課後の時間に入っていた。
「悪いことしたわね」
「罰ゲームも考えないとね」
「冗談でもね」
「人が傷付くのは駄目ね」
 今更と思いつつ反省しつつ部活やアルバイトに向かった、そして。
 次の日文夏に謝ろうとすると。
 笑顔でだ、こう言われた。
「広本君いいよって言ってくれたわ」
「えっ、嘘告白なのに」
「それでもなの」
「オッケー貰えたの」
「実は私広本君好きでね」
 ここでこのことを明らかにした。
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